Live2D制作もしているイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
今回はグルーという機能で繋ぎ目をなめらかにする処理をしていきます。
よく事例でも取り上げられる上腕と前腕の繋ぎをやってみましたが、他のパーツでも細やかな処理に使える機能です。
試しにモデルを1体作ってみたい人にはこちらがオススメ
Live2Dモデル作りの一通りの流れを解説しています。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2020/08/202008_live2d_00-500x263.webp)
グルーを使うとこうなる
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_08.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_29.png)
Live2Dのグルーを使うと、モデルのパーツ同士の繋ぎ目が途切れるのを上図のようになめらかに、曲げる動作時に自動的に繋げることができます。
グルーの設置方法
腕を繋げる方法を例にグルーを使ってみます。
モデルイラストパーツをLive2D Cubism Editorに読み込んだ状態からはじめます。
パーツの作り方・モデル作りの全体の流れはこちら
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/11/2201live2d_psd.webp)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2020/08/202008_live2d_00-500x263.webp)
2パーツのアートメッシュを繋げる
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_02.png)
上腕・前腕に分けたパーツに、とりあえずのアートメッシュをつけます。
上図は見やすいようにパーツを離していますが、本来は重なっています。
アートメッシュの付け方
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2021/09/eye_13.png)
メッシュをつけたいパーツを選んで「メッシュの自動生成」アイコンをクリック。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_31.png)
ウィンドウが出現するので、プリセットを選ぶと自動的にアートメッシュが付きます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/artmesh_01.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/artmesh_02.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/artmesh_03.png)
デフォルトでは…
- 標準
- 変形度合い(小)(大き目のメッシュになる)
- 変形度合い(大)(細かいメッシュになる)
とあるので、今回は標準にしています。
プリセット下のボタンはプリセット自体の編集項目で、うっかり削除してしまうので注意です。
削除してしまった場合は公式のマニュアルに設定値があるので、改めてプリセットを追加します。
(何度もうっかり削除しました…)
アートメッシュは手動でも引くことができます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_04.png)
アートメッシュを付けたら2パーツとも選択して「メッシュの手動編集」アイコンをクリックします。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_05.png)
上腕が赤、前腕が緑とメッシュの色が変わります。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_06.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_07.png)
消しゴムアイコンの「ポリゴンを消去ツール」を選び、アートメッシュが重なっている部分をなぞって消去します。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2021/09/eye_17.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_09.png)
+アイコンの「頂点の追加ツール」で消した部分を繋ぐように点を打っていきます。
ある程度引いたら「自動接続」をクリックすると自動的にメッシュが引かれます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-NEW_icon-300x300.png)
メッシュの引き方は必ずこの通りに引かないといけないわけではありません。できるだけキレイな△三角形を目指すと動かしやすくなります。
これで2パーツ共通のメッシュが出来上がります。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_11.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_10.png)
メッシュの共通部分が出来たわけですが、選択するとそれぞれのパーツを囲んだものになっています。
繋ぎたい部分をバインドする
メッシュを繋いだあとはバインドします。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_23.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_13.png)
メッシュ編集モードのまま、くっつけたいメッシュ部分の点を選択し「バインド」をクリックします。
今回は肘に見える部分のみ選択しバインド化しました。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_24.png)
ここまでやって肘に回転デフォーマで動かしてみると、上図のようにバインドした部分が吸着した状態になっています。
回転デフォーマの付け方
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2021/10/z_01.png)
パーツを選択し「回転デフォーマの作成」アイコンをクリック。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2021/10/z_02.png)
出てくるウィンドウにてデフォーマ名を入力すると時計のようなマークが出ます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2021/10/z_08.png)
そのまま動かすとパーツが変形します。
腕をつなぐグルー失敗例
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_12.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_19.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-NEW_icon-300x300.png)
私がグルーを試すのに最初にやってしまった事なのですが…💦
上腕・前腕のつなぎ目全体をバインドしてしまうと、曲がる内側の線がぐちゃあと壊滅してしまいます。
グルーの面白くも難しいところだと思います。
こればかりは試しながら使うのが良さそうです。
「重さ」を変えていびつな部分を整える
こうしてパーツ同士を繋げたグルーは「重さ」を変える事で動き方の調整が効きます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_16.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_20.png)
グルー処理を行うと「パーツ一覧」にGlueパーツが作られます。
編集したいGlueパーツを選択し、画面上部にあるグルーツールをクリックします。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_25.png)
Glueパーツを選択するとパーツ毎に色分けされ、バインドした点が表示されます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_27.png)
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_26.png)
グルーツールでバインドした点を連打するとズルズルとパーツの形状ごと移動します。
これを繰り返して形を整えていきます。
初めてだと「重さ」という概念になかなかピンと来ません。
ざっくりいうと動いた時のくっつき方がどちらかのパーツに寄せる処理という感じです。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_29.png)
これで肘周りのラインが出て自然な形状になりました。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-NEW_icon-300x300.png)
この重さ調整で整えておくと後々かなり楽なのですが、操作に慣れず難しい場合は…無理せず動きのパラメータを付ける時にアートメッシュを変形させて調整するのもアリだと思います。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_28.png)
今回のグルー処理で腕をなめらかに曲げることができましたが、さすがに腕を上げきるのは難しそうです。
大きな動きにはパーツの切り替えは必要そうですね。
後ほど腕作りで試していきます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2022/02/glue_30.png)
グルー処理した部分は、プレビューでオン/オフできます。
応用や詳細は公式のマニュアルへ
当記事では初心者向けに私の試作通してお伝えしています。
概念を把握するのも少々難しい「グルー」は公式のマニュアル↓で「重さ」の説明などが細かく記載されているので、もっと応用を知りたい人にオススメです。
グルーはクオリティアップに使える
Live2D界も奥が深いので、紹介した方法以外にも効率化やクオリティアップの方法が開発されていると思います。
他のLive2Dクリエイターさんのノウハウも大変勉強になります。
細部まで整えられる「グルー」機能は知っておくとクオリティアップに繋げられます。
腕だけでなく頭や口パク、身につけるアイテムなど…調べてみると様々な箇所で活用できます。
![](https://saraemi.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-NEW_icon-300x300.png)
モデルに使う優先度は低いものの面白い機能なので、私も作品づくりに役立てたいと思います。