Live2D制作もしているイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
自分でVTuberモデルを作りたくても、初めてだと何からはじめたら良いかわかりません。
そんな方に向けて完成までの順番を紹介します。

私も最初は何が必要で何からやれば良いのか知らないところからはじめました。参考になれば嬉しいです!
Live2Dとは…パーツ分けしたイラストを動かせるソフト
イラストに命を吹き込み2Dの立体表現を可能にした表現技術。
原画をそのまま素材として扱えるため、その絵の持つ魅力をダイレクトに活かしながら立体的に表現することが可能。
イラストを擬似的に立体的に動かせる技術で、イラストの印象を崩さず動かせるのが最大の魅力。


何枚も作画するアニメーションとは違って、1枚のイラストをパーツ分けし骨組みを設定して様々な動作をさせることが出来ます。



有名アプリゲームやVTuberの配信動画などによく利用されています。
近年ではいろんな場面で見かけるようになり、アニメとも3Dとも違う新たな映像表現として使われる場が広がっています。
Live2Dに必要なもの
Live2Dの「モデル制作」に必要なもの
- 仕様に適したパソコン
- Live2Dモデル用にパーツ分けしたイラスト
- ↑を自作するならイラスト描画ソフト
- Live2Dソフト
パーツ分けしたイラストはクリエイターが作って販売しているものを↓こちらで購入することもできます。


適したパソコンや用意するイラストについては下記で紹介します。
Live2Dモデルを「使うため」に必要なもの
- 仕様に適したパソコン
- Live2Dモデルデータ
- VTuberとして使うならトラッキングソフト
- アニメーション制作の1部として使うなら動画制作ソフト
動画制作ソフトは Live2D
適したパソコンやモデルデータ、トラッキングソフトについては下記で紹介します。
Live2Dを快適に使うPCスペック
Windows | Mac | |
---|---|---|
OS | Windows8以上 | macOS v10.13以上 |
CPU | Intel® Core™ i7以上 | Intel® Core™ i7以上 |
メモリ | 8GB以上 | 8GB以上 |
ハードディスク | 約400~800MB以上 | 約400~800MB以上 |
GPU | OpenGL3.3以上 | OpenGL3.3以上 |
ディスプレイ | 1,920×1080px 32bitカラー以上 | 1,920×1080px 32bitカラー以上 |
既に持ってるパソコンのスペックを確認するには…
スペックやグラフィックボードの確認方法は、使用しているパソコンやOSによって違います。
確認方法は検索で調べると簡単に見つけられます。
GPUの「OpenGL3.3以上」は確認するのが難しいので、使用しているパソコンのグラフィックボードを確認して、下記サイト↓にて性能確認するとOpenGLのバージョンも把握できます。


推奨スペックのパソコンを購入するには…
私が愛用しているパソコンに近いものがこちら。



イラストだけを制作するパソコンよりもやはりお金はかかります(汗)
上記はモニターは別売りの本体だけの価格です。
私はパソコン工房
追加料金で容量やUSBジャックを増やしたりと細かい性能をカスタマイズできるので、クリエイティブ用にWindowsPCを購入するならオススメです。
macについては私は詳しくないのですが、購入するなら他社通販よりも公式からが1番安心です。


クリエイター用パソコンについてはこちらも参考になるかも…





推奨仕様から多少劣っていても動作はするかもしれませんので試して見ても良いと思います。
推奨仕様から劣っていると、作業する時に重く感じる・フリーズしやすい等が発生しやすくなります。
Live2Dを導入するには
公式サイトからソフトをダウンロードし、必要な場合は有料ライセンスを取得します。
PRO版とFREE版の違い
Live2Dには有料ライセンスの「PRO版」・無料で機能制限付きの「FREE版」があります。
無料の「FREE版」はサイズやパーツ数が限られてくるため、キャラ1体をしっかり制作するのは難しいです。
Live2D「PRO版」「FREE版」おおまかな機能比較はこちら
内容 | PRO版 | FREE版(機能制限アリ) |
---|---|---|
商用・営利目的の利用 | OK | 一般ユーザー および小規模事業者のみOK |
組み込み用画像データの出力 | 無制限 | 2048px 1枚まで |
適用できるレイヤー数 | 無制限 | 100レイヤーまで |
動作を管理するパラメータ数 | 無制限 | 30まで |
まとめて動かせるデフォーマ数 | 無制限 | 50まで |
パーツ管理できるフォルダ数 | 無制限 | 30フォルダまで |
描画順(レイヤーの前後)の設定 | 無制限 | 2まで |
オブジェクトの単体表示 | アリ | ナシ |
メッシュのコピペ | アリ | ナシ |
アニメーションのコマ打ち | 無制限 | 3コマ打ちのみ |
アニメーションの動画書き出し | 無制限(9.4MPまで) | 最大1280x720px |
※詳細は公式の「機能比較」をご覧ください。
PRO版は「一般ユーザー・小規模事業者」と「中規模以上の事業者」で価格が変わります
直近の年間売上高1000万円未満の方が「一般ユーザー・小規模事業者」に当てはまります。
Live2Dソフトのダウンロードは公式サイトへ!
Live2Dの購入はサブスク契約になりますが、月額/年額の支払い方法が選べます。
自分の利用スタイルによって使う月だけ支払うといったコスパ重視の使い方もできます。
年間だと月額を1年使うより40%ほどオトクです。
年々使えば使うほど安くなる割引もあるので、長く付き合いたい人は年額を検討してみるのもオススメ。



無料トライアル版では「PRO版」を42日間も使えるので、イラストが出来てからソフトを使用開始すればとりあえず1体は試しに作れるはず!


インストールされるソフトは2つ
主にモデリング作業で触るのは「Live2D Cubism Editor」です。
「Live2D Cubism Viewer」は応用的な作業に利用します。
Live2D用にパーツ分けしたイラストを作成
VTuberのようなLive2Dモデルを作るには、レイヤー毎にパーツ分けしたイラスト(psdデータ)が必要です。
Live2D用にキャラクターイラストを描く方法は…
注意する点などまとめていますので↓こちらを参考にしてみてください。


作らずにLive2DモデルをGETしたい方は…
Live2Dマーケット「nizima」でクリエイターが作ったモデルを購入できます。
公式が運営しているので安心して取引できます。


オススメイラスト制作ソフト
レイヤー分けとpsd保存ができるイラストソフトならどれでも問題はありません。



私はイラストやアニメ制作もしているので CLIP STUDIO PAINT
様々な機能が揃っていてイラストもマンガもアニメーションも作りやすい環境が、パソコンならサブスクではなく買い切りで利用できます。
とりあえず試してみたい人は「CLIP STUDIO PAINT 体験版」へ
3ヶ月も無料体験できます!クリスタはカスタマイズするほど描くのが楽しくなっていきます。


CLIP STUDIO PAINTで描いた時のメリットはこちらで紹介しています


イラストが出来たらLive2Dでモデリング作業へ
Live2D用にイラスト(psdデータ)が完成したら「Live2D Cubism Editor」でモデリング作業を進めていきます。
大まかに全手順を解説
こちらでイラスト制作からモデリング作業までの全体の流れを紹介しています。


動画でも初心者向けに作り方を紹介しています
実際に作った流れを元に動画で紹介しています。
パーツ毎の作り方とオススメの順番
上記のリンクや動画では全体の流れの紹介ですが、パーツごとの細かい作業工程も紹介しています。
Live2Dではパーツ分けしたイラストに「デフォーマ」という枠を動作毎に設置します。
それぞれの細かい解説ページへ飛びます
- デフォーマ構成を軽く学べる「眉」
- Live2Dの機能を存分に使う「目」
- 難易度別に作れる「口」
- 髪の揺れ
- 左右に揺れる顔「角度Z」
- 上下に振る顔「角度Y」
- 左右に振り向く「角度X」
- 体や手・エフェクトなど
- 様々なリアクションを設定
とりあえず完成を目指したい人は①~⑦までで十分動くモデルになります!



慣れるまではこの順で作っていました。
何体か作っていくと自分なりに作りやすい順が見えてきます。
他にもLive2D制作の参考になりそうな情報をまとめています




モデルが出来たらそれぞれの使い道へ
モデリング作業を終えたら、使用用途によって他のソフトを介したり、動画を制作したりしていきます。
Live2DモデルをVTuberとして利用する
VTuberとして利用するには、WEBカメラと連動させる「トラッキングソフト」が必要です。
動作が軽くてWindowsでもMacでも使える「VTubeStudio」が人気


他の有名トラッキングソフトはこちらで比較しています


Live2Dモデルを使ったアニメーション動画を作る
VTuberではなく、動画制作ソフトを使うとLive2Dモデルを動かすアニメーション動画にもできます。
Live2D Cubism Editorでアニメーションを作る
制作に使うLive2D Cubism Editorでも、キャラを動かして動画データに書き出す事ができます。


Adobe After Effectsでアニメーションを作る
Adobe After EffectsにLive2Dモデルを取り込めるので、アニメーション制作にも使いやすいです。


Live2Dモデルを販売してみる
Live2D公式が運営するLive2Dモデル専用マーケット「nizima」で制作したモデルを販売することが出来ます。
モデリング前のイラストだけ販売したり、限定品として1体だけ売り出すなど、様々なスタイルで売る事ができます。


オーダーメイドを受けてみる
下記のようなサービスを売買できるサイトを利用すると、誰でも簡単に制作を受注することが出来ます。
Live2Dモデルもこういったサービス内で受注制作しているクリエイターさんは多いです。








初心者の参考にオススメできるWEBサイト
公式サイトのマニュアルはこちら
公式マニュアルは逆引きがしやすいので、ちょっと困った時にも便利です!
公式の解説動画はこちら
慣れてきたらいろんな作り方にもチャレンジ!



Live2Dモデル制作を学び、最近ではVTuberのようなキャラクターモデルだけでなく、アニメーション動画の一部にも活用するようになりました。
最初は慣れない作業だらけですが、自分のキャラクターが動くととても楽しいですし、慣れると色んな表現方法もでき、クリエイターの仕事としても注目されています。