無料でLive2Dが使える「FREE版」でのVTuberモデルの作り方

Live2D制作もしているイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。

Live2Dには無料で使える「FREE版」があります。

有料で使える「PRO版」よりも機能制限があるのですが、FREE版でどこまで動くモデルを作れるか試してみました。

もくじ

工夫すればFREE版でもVTuberモデルは作れます!

今回試してみて出来たモデルがこちら。

これくらい動くものがFREE版でも作れる!

PRO版で作るよりも色々削ぎ落としてはいるものの、VTuberとして連動する顔はできるだけ機能を落とさず出来るとこまで作ってみました。

FREE版の機能比較

細かい機能の違いは公式で公開されています

Live2D Cubism
機能比較 - Live2D Cubism Live2D Cubismのフリー版とトライアル版の機能の違いをご紹介しています。
さらえみ

細かく制限はあるのですが、実際に作ってみて引っかかったところを当記事で紹介していきます。

同じ無料の「トライアル版」との違い

42日間使える体験版「トライアル版」では「PRO版」の機能がフルで使えます。

同じ無料でも「トライアル版」終了後に使えるFREE版」は機能制限されてしまいます。

公式サイトからソフトのダウンロードはこちら

live2d.com
Vtuberを作る方法は3Dだったり色々とありますが、イラストの良さや雰囲気を壊さず動かしたいならLive2D。イラストが描ける人には扱いやすいソフトです。

FREE版でも一般ユーザーおよび小規模事業者なら商用利用は可能

一般ユーザーおよび年間売上1000万円未満の小規模事業者なら、FREE版の商用・営利目的での利用は可能です。

FREE版で制作するにあたってPRO版から諦めた部分

  • 画質の解像度
  • 腕などを使ったポーズアクション
  • 髪の毛のパーツ数
  • リアルな口パク

FREE版で作るにあたって、これらを諦めました。

さらえみ

逆に物理演算パーツの描画順(グループの描画順は制限アリ)などFREE版でもそのまま使える機能もありました!

1番のネックは「デフォーマ数」と「パラメータ数」の制限

FREE版で制作して1番引っかかったのは「デフォーマ数」「パラメータ数」の制限です。

デフォーマ50個はVTuberモデルギリギリの数

50個は結構少ない

今回のモデルを作ってみたところデフォーマ50個を使い果たしました。

顔まわりの動きだけでも40個以上は使います。

通常PRO版で作るようにはいかず「腕まで動かしたい」「エフェクトをつけたい」としても追加で付けられるデフォーマは2~3個が限界かと思います。

パラメータ30個もVTuberモデルギリギリの数

今回のモデルを作ってみたところパラメータ30個も使い切りました。

リボンやスカートをなびかせたりエフェクトをつける際に4つほどパラメータを使っています。

なので、特別な事をしないモデルであればFREE版でも作れるっちゃー作れるという印象です。

「スキニング」は「パラメータ数」の都合上ほぼ使えない

スキニング使ったモデルだとこんなに差が出ます

パラメータを爆増させるスキニングはほぼ使えません。

上図の通りスキニングを髪に使うと軽くパラメータ100個超えます(汗)

さらえみ

髪の毛なびかせるのを諦めればスキニングで尻尾くらいは振れるかも?という感覚です。

1オブジェクトに紐付けられるパラメータは2個まで

とても注意されてしまった(笑)

PRO版では1オブジェクトにつき3個パラメータを紐付けられるところ、FREE版では2個に限られます。

凝ったモデルにしたい時によく使う目や口は、すぐにパラメータ2個埋まるので注意が必要です。

①モデルイラスト作成

ここからは具体的な作り方を紹介します。

FREE版では、テクスチャアトラスの制限で画像の解像度が限られます。

できるだけ解像度を落としたくない場合、モデルイラスト作成時に気をつける点があります

ひとつずつ説明します。

テクスチャアトラスは「2048×2048px」「1枚」のみ

Live2Dにイラストを導入

Live2D Cubism Editorを起動し、パーツ分けしたイラストPSDデータをドラッグ&ドロップしインポートします。

「テクスチャアトラス」ボタン

「テクスチャアトラス」は上図のボタンで設定できます。

最大サイズ2048pxを選択

設定ウィンドウが開かれますがFREE版では「2048px」以下しか選べません。

原画をどんなに大きいサイズにしていても、Live2Dモデルとして使う画像は最大2048✕2048px内に収まるよう変換されます。

高さのあるパーツを分断して2048px四方いっぱいに使う

体を1つにした場合

上図のように、体1パーツ+顔パーツ色々でイラストを作ると、余白が出来てしまい勿体ないことに。

さらにこれだと体全体の高さが2048px内になるので、体の画質がやたら荒くなってしまいます。

体を分割した場合

そこで、上図のように体部分を「脚」「スカート」「胴体」に分割。

こうすると余白無くレイアウトできますし、体も2048px以上になって画質を少しアップすることができます。

以降の調整は「できるだけ画質を保つ方法」なので、難しいと感じたら飛ばしてもらっても大丈夫です。

左右対称にできるパーツは「反転コピー」して節約

目・眉・髪など左右反転できるパーツ片方だけイラストを用意します。

イラストPSDデータ上はこんな感じ

今回のモデルでは上図のように片方だけ作画しています。

片方のパーツをモデリングしてから「反転コピー」させると左右対称に出来上がります。

こうするとテクスチャアトラス内では1パーツで済むので節約できます。

ハイライト別パーツ
別パーツ

黒目はハイライトが反転すると気持ち悪いので、反転させたくないハイライトは別パーツにしました。

手動で編集してパーツごとに調整

テクスチャアトラスは手動拡縮や配置を変更できます。

なので、できるだけ高画質にしたいパーツを大きめにし、隙間におけるパーツを配置しなおしたりすると、2048×2048pxを隙間なく使う事ができます。

最終的にこうなりました

拡大にはあまり耐えられない

原画版表示
テクスチャアトラス版表示

キーボード「T」で原画版とテクスチャアトラス版の表示切り替えができます。

主流のモニターサイズ、フルHDなら1920✕1080pxになるので、FREE版最大の2048×2048pxでは全身は耐えられるけれど顔アップは画質悪くなるかもといった印象になります。

FREE版だと、どんなに画質を保つ工夫をしていてもアップになると上図のように荒くはなります。

②PRO版と同じ作りで大丈夫なモデリング

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「眉」「目」PRO版同様に進められました。

FREE版のアートメッシュ(PSDレイヤー)100個までパーツ(フォルダ)30個までの縛りは、割と余裕を持って作成できます!

「眉」も「目」も片方が出来たら前述した通り「反転コピー」を使ってもう片方を仕上げていきます

FREE版でもPRO版同様に片方の動作を設定してから反転コピーできます!

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③FREE版では気をつけたいモデリング

口は一番凝った作り方は無理そう

こちら↓で口の作り方を3種類紹介しています。

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「あいうえお」母音別に作る口パク

ここで紹介している作り方のうち、3つ目の「あいうえお」母音別に作る方法はFREE版ではかなり難しいです。

FREE版は「形状をコピー」が使えない

というのも、FREE版では「形状の編集」のコピーや貼り付けが使えないため、母音別の口の形を作るハードルがグッと上がっています。

さらえみ

FREE版で作るなら上記リンクの1つ目2つ目の簡単な方の口の作り方をオススメします。

「角度Z」「髪揺れ」は同じワープデフォーマに設定

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「~髪揺れZ」として「髪揺れ」「角度Z」パラメータに紐付け

ワープデフォーマの制限数がシビアなので「髪揺れ」「角度Z」は、同じデフォーマで紐付けました。

④頭をぐりぐり動かす「角度Y」「角度X」はPRO版通りでOK

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「角度Y」「角度X」もPRO版同様に制作できます。

初心者には少々難しい部分なのですが、ひとつずつやっていけば出来ます。

FREE版はワープデフォーマのはみ出し確認ができない!

仕様の都合上、入れ子になったワープデフォーマは親デフォーマよりはみ出さないように作ります。

ワープデフォーマの親子関係
「デフォーマの検証」ではみ出し確認

上図のように「デフォーマの検証」を使うとはみ出し確認ができるのですが、残念ながらPRO版のみの機能でした。

「デフォーマの検証」はFREE版では使えない

FREE版でワープデフォーマを入れ子で使う際には、目視ではみ出さないように気をつけて制作していきます。

最終的にデフォーマ・パラメータ構成はこうなりました

今回のキャラクターモデルのデフォーマ構成
今回のキャラクターモデルのパラメータ構成

「体XY」「体Z」デフォーマは「体の回転」パラメータに紐付けています。

体の回転はリアクションにも意外と使えるので付けています。

さらえみ

デフォーマもパラメータも最大数使っているので、体の回転を無くして他の動作に割り当てても良いと思います。

④PRO版同様に使える「物理演算」

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物理演算」もPRO版同様に使用できます!

物理演算つけてみた例

頭の振り向きに合わせてなびいてるのがわかるでしょうか…(短髪なのでわかりにくいですが)

さらえみ

頭や体の動きに連動して髪や服が揺れるのはVTuber的にも醍醐味だと思うので、物理演算チャレンジしてみてください!

⑤リアクションをつける

今回のモデルには表情リアクションをいくつか付けてみました。

リアクションポーズの付け方はこちら↓を参考に作ってみてください。

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驚き
困った~!
ガッカリ・・・

上図のようにFREE版でも申し分なく作ることができました!

VTuberモデルとして必要な、制作データ「~.can3」トラッキング用データ「~.motion3.json」データとして書き出すには何の問題もありません。

ただしFREE版では、ここで作成したアニメーションを画像や動画データで書き出すには、最大サイズ1280x720pxロゴ表示などの制限が付きます。

トラッキングソフト別の挙動

FaceRig
Animaze
VTube Studio

FREE版で制作したから何かおかしいということもなく、PRO版と変わらずどのトラッキングソフトでも通常通り動きました。

トラッキングソフトについて詳しくはこちら

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このモデルは発売予定!

データ整理できたらこのモデルを販売してみようと思います。

勉強用、個人利用での用途で予定しています。

Live2DはFREE版でも充分キャラクターが作れます

Live2D界も奥が深いので、紹介した方法以外にも効率化やクオリティアップの方法が開発されていると思います。

他のLive2Dクリエイターさんのノウハウも大変勉強になります。

という感じで、Live2DのFREE版を使ってVTuberモデルを作ってみました。

予想以上にFREE版でも立派なモデルが出来たので驚きました。

ちょっと痒いところに手が届かない感は否めないですが、PRO版を使う前に慣れる事もできますし、お金をかけずVTuberキャラクターを作ってみたい人には充分オススメできます!

live2d.com
Vtuberを作る方法は3Dだったり色々とありますが、イラストの良さや雰囲気を壊さず動かしたいならLive2D。イラストが描ける人には扱いやすいソフトです。

作らずにLive2DモデルをGETしたい方は…

Live2Dマーケット「nizima」でクリエイターが作ったモデルを購入できます。

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nizima.com
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法人・事業者はnizimaからの購入はできません。

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