【今すぐ使える】配色の効果で映える!イラスト手法17選

いろんなクリエイター経歴を持つイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。

イラストは色の使い方で伝わる意味もずいぶん変わってきます。

「描いてみたけどパッとしない」と思った時、色を修正するだけでグッと良くなることも全然あります。

今回は初心者でも覚えやすい配色テクニックを、わかりやすく効果別に紹介していきます。

さらえみ

イラストは色の使い方も無限大。
グラフィックデザイナー経験から、イラストの配色もデザインと共通するものが多いと感じました。

「今回はこの1つだけやってみよう」といった感じに1つずつやってみると身につきやすいですよ!

もくじ

対象を目立たせるための配色

イラストの1部分を目立たせたい時にできる工夫をまとめました。

明暗差をつける

人物以外は明度高め
彩度を落とすと明度差がわかりやすい!

見せたい対象だけ明度を低く、濃い色にして目立たせています。

簡単にやりやすい方法で、複雑なイラストでも彩度を低くしてみると明度差がわかりやすくなり、調整もしやすくなります。

色の「色相」「彩度」「明度」は、だいたいどのソフトでも『色調補正』ツールで調整できます

CLIP STUDIO PAINTの色調補正

色味の差をつける

人物は暖色に、背景は全て緑や青の寒色にしてみました。

色味の差でも目立たせることができます。

さらえみ

わかりやすく作った作例はあからさますぎますが
(全体的に彩度高すぎますしね💦)
華やかに目立たせたい時に効果的なので試してみてください!

1色だけ彩度上げる

全て彩度を下げて、コップの中身だけ彩度高めにして目立たせてみました。

デザインでもよくある手法だと思います。

毒でも盛られたかな⋯?というくらい、意味深に印象的になります。

遠近を表現する配色と表現方法

遠いものや近いものを、より距離感が出るように工夫していきます。

近いものをぼかす

ぼかす前
ぼかした後

これもすぐできる方法です。

画面の近くにある物をブラーなどでぼかして遠近感をつけます。

近いものに濃い影をつける

濃い影
さらにぼかすとより効果的

ぼかす他にも、手前の物の全体的に濃いめの影を足すだけでも、遠近感がつけられます。

遠いものを薄い色にする

薄くする前
奥だけ薄くしてみた

遠くや奥にあるものを薄い色にすると、より遠くにあるように見せられます。

実際の写真などでも、空気の層により遠くのものは薄い色に見えることがあります。

さらえみ

さり気なく距離感を付けたい時に効果的ですね。

遠いものの主線を無くす

こちらは遠いものも線があるver
遠いものの線を無くしたver

主線があるだけでハッキリ目立つので、遠くにある物の線を省いてみました。

これだけでもより遠くにあるような表現になります。

やわらかさを表現するための配色と表現方法

色だけで柔らかい質感を表現する方法です。

細かいイラストだとわかりにくいので、わかりやすい絵でまとめてみました。

線に色をつける

このイラストを加工します
線に色をつける

線を黒など濃い色ではなく、色味のある線にします。

塗りの色に近い線の色にすると、違和感なく柔らかく感じる配色になります。

さらえみ

細かいイラストでも、肌や髪、ふわふわな質感によく使います。

途切れた線にする

線を途切れた表現にするのも、柔らかく見せる手になります。

さらえみ

線があることでくっきり硬めに見えてしまいます。
なので、途切れ線やいっそ線を無くしてみるのも柔らかく見せられます。

特に線は作風によって取り入れにくい場合もあると思います。
取り入れにくい場合は、他の表現方法で柔らかく見せられます。

うすめの配色にする

全体的にうすくしてみた
パステルカラー例

全体的に薄めの配色でも柔らかさを表現できます。

パステルカラーだとより柔らかく可愛い色合いになります。

ブラシで影などつける

影をシャープなアニメ塗りではなく、ブラシでつけることで柔らかい表現になります。

さらえみ

私がメインで描いてるキャラクターイラストでは、肌や服などの影の一部をぼかすことで、バランス良く表現しています。

ポップさを出す配色と表現方法

かわいく派手なポップ感を出すための配色方法です。

こちらもいつものイラストだけではわかりにくそうだったので、簡単な作例も足しています。

色味や彩度を上げる

灰色系をできるだけ無くして彩度をアップ
色がハッキリ見える配色

彩度を上げてくすみを無くすと派手にポップになっていきます。

さらえみ

全部全部の色を彩度上げてしまうとクソダサにもなりがちなので、色合いのバランスみながら調整していきます。

ドットなどのパターン柄を足す

ドットなどのパターン柄を置くと簡単にポップ感を出せます。

ドットの大きさや色、全体に置くかどうかでも違った味になります。

さらえみ

ドットの『レイヤー効果』を乗算・加算・オーバーレイあたりに変えるだけでも、馴染みやすくなったりド派手になったりと、面白い表現になりますよ!

線を太くする

線を太くするのも簡単にポップな味わいになります。

キャラの輪郭線を太くするだけでも、かわいく親しみやすい感じになります。

さらえみ

この表現はかわいくなりやすく、持ち歩いてもらいたいグッズ用イラストにもオススメです。

影やグラデの無いベタ塗りにする

思い切って、ブラシやグラデーション表現を避けて最小限の影のみにすると、ポップ感が増します。

絵によっては『下書き感』も出やすいので、その場合は線を太さやドットなど他の手法も取り入れて調整します。

安心感が出て落ち着かせるための配色

心を落ち着かせるようなイラストにしたい時の配色方法です。

同系色でまとめる

青系統にまとめてみました

イラスト全体を同系色でまとめると、落ち着いた空気感になりやすいです。

色を使えば使うほど目があちこちに行くので、それを抑えることで安心感を与えられます。

淡い色合いにする

色味や彩度を抑えた淡い色合いにすると、落ち着いたイラストになります。

パッと目立ちにくい反面、繊細でストーリー性も感じられる表現に見えます。

描く+好きな絵を見て研究するのもオススメ!

以上は、基本でわかりやすい配色方法をまとめています。

他にもいろんな方法があると思いますが、これらの組み合わせでかなり様々な見せ方ができるはずです。

自分で描いてみるのはもちろん、「このイラストのこの配色でこういう風に見えているんだ⋯!」と発見できれば、かなり身につきやすくなります。

今回の内容がどなたかの制作ヒントになれば幸いです!

もくじ