アニメーションも作るイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
イラストを動かせるアニメ作成ソフトはたくさんあります。
中でも1枚のイラストを変形させてアニメーションする「2Dモーフィングソフト」も調べてみると色々ありました。
実際に試したソフトもありますので特徴含めて紹介していきます。
読んでくださる方に合ったソフトが見つけられたら嬉しいです。
ここはイラスト描く人が良く見ているので「2Dイラストを変形させて映像作るソフト」という大きめな括りでまとめてみました。
ざっくりタイプ別にオススメ
本当に色んな種類があったので目的別に分けてみました。
- 本格的にVtuberを作りたいなら「Live2D」
- Vtuberに簡単になりたいなら「Adobe Character Animator」
- ラクにVtuberっぽくキャラを動かしたいなら「えもふり」
- 無料でイラストを使ったアニメを作るなら「OPTPiX SpriteStudio」
- 仕事に繋がる映像作りをしたいなら「Adobe After Effects」
リンクから詳細レビューに飛びます。
「2Dモーフィングソフト」とは?
ソシャゲやVtuber等で使われる2Dイラストを変形させて動かす映像やスプライト形式のアニメーションを作れるソフト。
調べてみても厳密な定義が無さそうなので、私も「どこからどこまで?」と迷ったのですが…
モーフィングとは…あるイメージから別のイメージへ徐々に変化していく様子を動画で表したもの。
IT用語辞典より抜粋
スプライトとは…画面上の小さなキャラクタを高速に合成表示する映像技術。
Wikipediaより抜粋
と、ありますので、2D画像を変形・移動・合成させて作るアニメーションということでしょう。
私は短期でクオリティを保つために、2Dモーションも作画アニメーションも両方の技術を適所に使っています。
代表的なソフト比較表
比較しやすくわかりやすいポイントを表にしてみました。
Live2D | えもふり/E-mote | OPTPiX SpriteStudio | Spine | |
---|---|---|---|---|
無料版の有無 | ・42日間のフル機能体験版 ・機能制限付き無料「Free版」 | ・機能制限付き個人同人は無料の「えもふり」 ・年商1000万円未満は無料ライセンスの「E-mote/インディーズプラン」 | ・売上高が5000万円未満の個人もしくは法人は無料「Starterライセンス」 ・教育機関は無料「Academicライセンス」 | ・機能制限付き「トライアル版」 |
有料版の条件 | ・年間売上高1000万円未満か以上かで料金変動 ・月額/年額/3年/学割など多数プラン有 | ・年商1000万円以上&教育機関用は有償ライセンス | ・前年度売上高が5,000万円超の企業&団体は有償「Businessライセンス」 | ・機能制限付き「Essential」(買い切り) ・年間収益が50万米ドル未満「Professional」(買い切り) ・年間収益が50万米ドル超「Enterprise」年額プラン |
メリット | ・細かい表現が可能 ・有名ソフトなのでノウハウが多い | ・細かく設定しなくても簡単に動く | ・自由度が高い ・無料対象者が多い | ・アクションに強くゲーム業界向け |
デメリット | ・フル機能版が有料 | ・人型以外は作りにくい | ・手間がかかる | ・英語表記でわかりにくい |
Vtuber化 | トラッキングソフトを使って簡単にVtuber化 | Unity等の知識が必要 | Unity等の知識が必要 | Unity等の知識が必要 |
発表した年 | 2006年 | 2012年 | 2013年 | 2014年? |
公式サイト | Live2D | えもふり/E-mote | SpriteStudio | Spine |
Adobe Character Animator | Adobe Animate | Adobe After Effects | |
---|---|---|---|
無料版の有無 | ・7日間体験版 | ・Adobe Creative Cloudとして、7日間体験版 | ・Adobe Creative Cloudとして、7日間体験版 |
有料版の条件 | ・Adobe Creative Cloud(有料)に付属 | ・月額単体プラン有り ・Adobe Creative Cloud(有料)に付属 | ・月額単体プラン有り ・Adobe Creative Cloud(有料)に付属 |
メリット | ・Vtuber型のアニメのみに特化 | ・自由度が高い ・他のAdobeソフトと連携しやすい | ・映像制作全般に使える ・他のAdobeソフトと連携しやすい |
デメリット | ・単体販売が無く高い ・ノウハウが少ない ・Vtuber型のアニメ以外は不可 | ・料金が高い | ・料金が高い ・イラスト専用ではない ・実写映像系ノウハウが多い |
Vtuber化 | Vtuber化から配信まで可能 | 不可 | 不可 |
発表した年 | 2015年 | 1996年(Flashとして) | 1993年 |
公式サイト |
簡単~ハイクオリティまで制作可能な有名ソフト「Live2D」
クオリティの高いキャラクターアニメが作りやすい!
「簡単に作れる!」とは言えませんが、高クオリティの動きを効率よく制作できるのがLive2D。
本来面倒な作業も割と自動化されていて、様々なデータに出力できるのも使いやすくて良き!
人間キャラクターに必要な細かい表現や仕草を可能にしてくれます。
ゲームやVtuberなど商業で多く使われている
2Dイラストを使ったソシャゲやVtuberに多数使われています。
Live2D制作が出来るフリーランスクリエイターも多いですね。
トラッキングソフト対応が豊富で素人でもVtuberを作りやすい
私もよく知らないUnity等プログラム知識が本来必要なんですが…
Live2Dではトラッキングソフト対応のデータを出力できるので、専門知識が無くてもVtuberになれます。
Vtuberになれるトラッキングソフト比較はこちら
簡単にできるものからキレイに連動するものまで色々あります。
Live2Dデータを売買できる
「Live2Dデータを作るのが面倒!」「作ったLive2Dデータを売りたい!」という人に……
Live2Dは有名ソフトなので、売ってるクリエイターも購入したい方も多いです。
さらに、Live2D公式のマーケットもあります。
慣れると様々なアニメーションも出来る
基本はVtuber的な「人型」キャラクターアニメーションが出来るLive2Dですが、操作に慣れれば人間キャラクター以外も作れます。
動かし方さえ把握できれば動物や木々なども全然動かすことができる、可能性が広がるツールです。
有名なのでノウハウが見つけやすい
Live2Dは業界でも個人でも有名なソフト。
書籍やWEBでノウハウが探しやすいのもとても有り難いポイントです。
実際に制作しながら初心者向けにまとめた作り方はこちら
Live2Dでの制作方法を、パーツごと機能ごとにまとめています。
長めの体験期間で試しに1体は作れる
フル機能は月額料金がかかってきます。
…が、フル機能そのまま使える無料体験版は42日間もあるので、ノウハウ見ながら試しに1体は作れます。
無料期間が過ぎて料金かかるとなっても月額・年額・3年プランを選べるので、軽く使いたい人は使う月だけ、みっちりや死体人は年額でオトクにといった使い分けができます。
無料「Free版」でもここまで作ることができます
体験版が過ぎた後…機能制限付きで無料の「Free版」での作り方もこちらにまとめています。
とりあえず簡単に動かせる「えもふり/E-mote」
細かい設定を省いてとりあえず一発で動かせる!
「E-mote」の機能制限付き無料版が「えもふり」です。
公式のテンプレート通りに作れば、パーツ分けしたイラストをソフトに放り込むだけで動きます!
線画と塗りがレイヤー分けされたままのイラストデータでも読み込めるのがめちゃ便利!これなら修正もしやすいです!
普通他社ソフトではイラストを読み込んだ後も細々設定しないと動かないもの。
ソフトに放り込むだけで動くのは簡単すぎてびっくりしました。
カメラ連動したVtuberにするのは難しいけれど、とにかくとりあえず動くキャラを見たい!という人にオススメ。
細かい設定でクオリティアップもできる
「えもふり」にパーツ分けしたイラストデータを入れて1発で動くのはとても魅力的。
そこでパーツ毎の微調整もちゃんとできるようになっています。
微調整もあまり難しくなく設定できます。
人型キャラクターに特化
「えもふり」は人型キャラクターに特化しています。
出来なくは無いにしても「えもふり」でキャラクター以外のものを作るのは難易度高そうです。
Vtuber化にはUnity等の知識が必要
「えもふり」で出力したデータをそのままVtuber用トラッキングソフトには読み込めません。
Vtuber化するにはUnity等のプログラム系知識が必要になります。
ゲーム向けというのもあって、プログラムに詳しくない私ではVtuber化はできませんでした。
実際に「えもふり」を試してみた様子はこちら
試しに「えもふり」でキャラクターアニメを作ってみました。
とりあえず動かすにはめちゃめちゃ簡単です。
無料で自由度の高いアニメが作りたいなら「OPTPiX SpriteStudio」
キャラクターアニメ以外も作れる自由度の高さ
Vtuber的なキャラクターアニメ表現から、背景も含めた高カロリーでリッチな表現も可能です。
色々な表現ができる分、画像の切り出しや設定方法が少々複雑で手間がかかります。
基本操作は直感的に触りやすいので、慣れれば色んなアニメが作れます。
2Dゲーム映像にも使われる業界で知名度のあるソフト
「SpriteStudio」はゲーム業界では昔から有名な「OPTPiX」シリーズです。
軽いデータ容量で表現したいソシャゲやアーケードゲームの映像作りに「OPTPiX」ソフトがよく使われていました。
私も会社員時代に映像制作で使っていました。ゲーム系の会社なら今でも使うケースはありそうです。
無料ライセンス対象の層が広い
売上高が5000万円未満なら個人も法人も無料ライセンスで使えます。
教育機関も無料の専用ライセンスがあります。
他社ソフトと比べても無料対象の枠がとても広く、どなたでも気軽に触りやすいです。
Vtuber化にはUnity等の知識が必要
「SpriteStudio」で出力したデータをそのままVtuber用トラッキングソフトには読み込めません。
Vtuber化するにはUnity等のプログラム系知識が必要になります。
ゲーム向けというのもあって、プログラムに詳しくない私ではVtuber化はできませんでした。
実際に試してみた様子はこちら
簡単に試してみただけなのでパタパタしていますが(汗)こだわればもっと立体的な動きも可能です!
「OPTPiX SpriteStudio」でキャラクターアニメを試作し、基本操作も紹介しています。
アクションが得意な海外向け「Spine」
軽い容量でダイナミックに動かせるゲーム特化型
パーツ分けしたイラストにボーンやパスを設定して、縦横無尽に動かせるソフト。
私は調べるまで知らなかったソフトなのですが、ゲーム系2Dモーフィングソフトとしては有名なようです。
英語表記なので操作に慣れるのはかなり難しいかも
公式サイトは日本語表記ですが、ソフトそのものは英語表記で、操作に慣れるまで時間がかかりそうです。
英語表記のみはマニアックな映像ソフトあるあるですね(汗)
色々できそうなソフトですが、ゲーム会社で必要になったら使う印象です。
このソフトとイラストがあればVtuberになれる「Adobe Character Animator」
「2Dモーフィングソフト」と括るにはVtuberに特化されて尖りまくっていますが一応紹介してみました!
このソフト1つで簡単にVtuberになれる
本来カメラ連動のVtuberになるにはいくつかソフトが必要になるのですが…
慣れるまでコツは要りそう
どの2Dモーフィングソフトもそうですが、独特な操作方法に慣れるまでは時間がかかります。
サンプルとなるイラストデータは英語表記で、日本語で解説したノウハウが少ないのもツライところ。
Adobeソフトがたくさん使える「Adobe Creative Cloud」付属ソフト
「Adobe Character Animator」は単体では売っていません。
Adobe製品というのもあってお金が結構かかりますが、普段PhotoshopやIllustratorなどを使う環境の人や、Adobe製品を使用する仕事を目指す人なら「
クリエイターに魅力的な「Adobe Creative Cloud」の詳細はこちら
実際に試してみた様子はこちら
基本操作から作っていてわかりにくかった部分までまとめています。
軽い気持ちで試してみたらAdobe公式様にもシェアしていただけました!めっちゃ適当な絵で試していたのでビックリ(汗)
滑らかに動かすなら「Adobe Animate」
昔流行っていたFlashアニメーションの後継ソフトです。
Flash制作の名残りがあって独特の手法ですが、充分アニメーションを作れます。
2000年代に流行ったFlashアニメーションの後継ソフト
イラストや図形を変形させ、自動補完してアニメーションが作れるFlashの後継ソフトが「Adobe Animate」です。
現在はより便利に様々な表現を作れて、Flashよりも多くのデータ形式に出力できる、万能アニメ制作ソフトになっています。
ソフト内でも描画ができる
「Adobe Animate」内でも描く事ができます。
独特な操作方法ですが、慣れればいろんなアニメ表現が可能になります。
他のAdobeソフトとの連携がしやすい
イラストや画像加工に最適な「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」などのソフトとの連携がしやすくなっています。
「Adobe Animate」はソフト単体販売もありますが、Adobeソフトをどれでもまとめて使えるサブスクサービス「
実際に試してみた様子はこちら
基本操作から作っていてわかりにくかった部分までまとめています。
実写映像に強いがイラストにも使える「Adobe After Effects」
モーフィング専用ソフトではなく、映画制作にも使われる高機能ソフト。
たくさんある機能の一部を使ってイラストを変形させたり動かしたりする事ができます。
プロ御用達の映像制作ソフトだけどイラストにも使える
実写やアニメなど映像制作に万能な「Adobe After Effects」は、イラストを加工してアニメーションを作る事も可能です。
メッシュ変形やパペットツールなど、他の2Dモーフィングソフトに近い制作もできます。
キレイなエフェクトを付ける事もできるのでイラストのクオリティアップにも役立ちます。
すぐできるAdobe After Effectsでイラストを動かす方法はこちら
ほんの一部の機能ですが、初心者でもすぐに使える機能をまとめています。
マスターすれば就職や仕事にも活躍
「Adobe After Effects」は、実写・アニメ・ゲームなどいろんな映像業界で使われているソフト。
全機能把握するのは沼すぎて難しいですが、映像やエフェクトを作れるようになると仕事でも優位になります。
私もフリーになる前の会社で使っていました。今でもアニメーション制作に活用しています!
Adobeソフトなので、もちろんAdobe CCに含まれています
「Adobe After Effects」はソフト単体販売もありますが、Adobeソフトをどれでもまとめて使えるサブスクサービス「
「イラストを変形させて映像作るソフト」といっても多種多様!
「2Dモーフィングソフト」という言葉はあまり聞いたことがないので、ゲーム系でソフトの種類を示す言葉なんだと思います。
ここでは「2Dイラストを変形させて映像作るソフト」という大きめな括りで紹介してみました。
簡単に出来るソフトや安いソフトから高機能で高いソフトまで本当に多種多様ありました。
どのソフトも面白い魅力はありますので目的にあわせて試してみてください。