Live2D制作をはじめてみたイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
ビデオ通話や動画配信で、自分の動きに連動シンクロしたキャラクターを使って発信したい時に役立つソフトが、FaceRigです。
FaceRigは、WEBカメラを通してLive2Dキャラクターを連動させる事ができます。
YouTubeはもちろんZOOMやSkype、Discordにも使えます。

長年愛されたソフトで2021年で公式サポート終了してしまいますが、使い勝手は良いので紹介しておきます。
FaceRigはmacには対応していません。
macの場合は類似ソフトである「VTube Studio」をオススメします。
FaceRig後継ソフト「Animaze」を使ったLive2Dの動かし方はこちら


FaceRigでLive2Dモデルを操作する手順
FaceRigでLive2Dモデルを動かすには以下のような手順になります。
操作するまでの手順
- Live2Dで組込み用ファイルの書き出し
- FaceRigをインストール
- FaceRigへ組み込み用ファイルを読み込み
- FaceRigで少し設定をして操作可能に
Live2Dモデルは公式の専用サイトから購入もできます
様々なクリエイターが作成したLive2Dモデルを気軽に購入できます。
Live2D公式が運営しているので安心して利用できます。
- 「○○○.2048」フォルダ(「.数値」部分はモデルによって違います)
- 「○○○.moc3」
- 「○○○.model3.json」
- 「○○○.cdi3.json」


Live2Dモデルの「組込み用ファイル」を書き出し
FaceRigへ組み込みに必要なファイルを書き出します。
購入するなどしてLive2Dモデルの組み込み用ファイル(moc3ファイル等一式)を持っている方は 次の工程「ソフトのインストール」へ お進みください。
テクスチャアトラスを整理


Live2D「Cubism Editor」モデリング画面の上部にある「テクスチャアトラス」作成ボタンを押します。
新規作成用ダイアログが出るので、名称・サイズ等入力します。


使用している全パーツが並んだものが表示されます。
右端は未配置パーツが表示されます。
モデリングに使用しているのに未配置に表示されていたら、ドラッグしてテクスチャ上に持っていきます。(プルダウンから他の表示も選べます)


パーツが上図のように、くっつきすぎて重なっていると不具合に繋がります。
「自動レイアウト」の隣にある「マージン」pxを大きい値に設定して「自動レイアウト」ボタンを押します。


↑これでマージンを広げた状態になりました。
重なりが無く、使用パーツが揃ってる状態が出来たら、OKを押してテクスチャアトラスを書き出します。
ダイアログで設定した名称で「○○○.2048」(.数値部分はテクスチャサイズによって変わります)というフォルダに「○○○.png」が書き出されます。
moc3データを書き出す


「ファイル」→「組込み用ファイル書き出し」→「moc3ファイル書き出し」を選択します。


FaceRig用には↑このような設定。


以下のようなデータが用意できました。(○○○は共通した任意の名前)
- 「○○○.2048」(「.数値」部分はテクスチャサイズによって変わります)フォルダ…テクスチャアトラスデータ(png)が入っている
- 「○○○.moc3」
- 「○○○.model3.json」
- 「○○○.cdi3.json」
テクスチャアトラスデータ同様の名称で「○○○.moc3」「○○○.model3.json」と付けられます。
FaceRigにアイコンや動作切替え指示などを付けたい場合


FaceRigの画面上で専用アイコンを設置したい場合
256×256pxのpng画像を用意します。
ファイル名は「ico_○○○.png」にします。
FaceRig内での名称や特定のキーで動作するポーズを設定するには
メモ帳などのテキストエディタで設定ファイルを作成する必要があります。
テキスト内に記入する内容はこちら。
FaceRig内で表示したい名前や説明を設定
「cc_names_○○○.cfg」
set_friendly_name ○○○ ‘表示したい名前’
set_avatar_skin_description ○○○ default ‘説明’
カメラ位置や特定のキーで動作するポーズの設定
「cc_○○○.cfg」
set_cam_pos ○○○ 0 -1.3 0.45
set_special_action_anim ○○○ ‘motion’ 1
set_special_pose_param ○○○ ‘ParamArmRA’ 0 1 1
set_idle_anim ○○○ ‘idle’
1行目「set_cam_pos~」は最初のカメラ位置設定
○○○後の数値は、X、Y、Z値に当てはまります。
2行目「set_special_action_anim~」はキーボードを押すと再生されるモーションを設定できます
これを設定するには、モーションファイルの書き出しが必要です


Live2D上の「Animation」モードで動きを作成。ファイル→組み込み用ファイル書き出し→モーションファイル書き出しを選択。


ダイアログでOKを押すと、モーションファイル「シーン名.motion3.json」が書き出されます。


「Motion」フォルダを作り、その中に「シーン名.motion3.json」を入れておきます。
「cc_○○○.cfg」内のテキスト、「’motion’」にはLive2d上で作成できるアニメーションの「シーン名」を、後に続く数値は 1→Q 2→W 3→E 4→R 5→T 6→Y のキーボードに当てはまりそれを押すと再生されるようになります。
Live2D上でアニメを作る方法はこちら


3行目「set_special_pose_param~」はキーボードを押すと動かせるパラメータを設定できます
「’ParamArmRA’」には当てはめたいパラメータIDを、後に続く数値はLive2Dで設定したパラメータ数値で、OFF時、ON時、最後の数値は 1→Z 2→X 2→C 1→V のキーボードに当てはまりそれを押すと再生されるようになります。
4行目「set_idle_anim~」は待機時のモーションを指定できます
「’idle’」にはLive2d上で作成できるアニメーションで、待機時にループ再生させたいシーン名を入力しておきます。FaceRigで何もしていない時に再生されます。
FaceRigのインストール
FaceRigを使うには以下のような条件が必要です。
- Windowsのみに対応(Macでは使えません)
- WEBカメラが必要
- Steamの導入
- FaceRigの購入 (¥1,480・たまにセールもあります)
- FaceRig Live2D Moduleの購入 (¥398・たまにセールもあります)
WEBカメラについて
WEBカメラが無い場合は用意する必要があります。
WEBカメラはこれで充分対応できます
こちらのWEBカメラの古いモデルを何年も使用していますが、何の問題もなく使用できています。



角度調整もカメラを触って簡単にできるのでとても使いやすいです。
高性能ならこのWEBカメラ
撮影する室内が暗めで認識しにくそうな場合は、こちらのような高性能なカメラの方が良いです。
1:パソコンにSteamをインストール


Steamとは…
アメリカのValve Corporationが運営するPCゲーム、PCソフトウェアおよびストリーミングビデオを販売・配信・交流ができるプラットフォーム。



パソコンでゲームするならSteamというイメージです。最近ではメジャーな家庭用ゲームもSteam対応が多くなってきました。
↓こちらから「Steam」をパソコンにインストールします。無料です。


Steamアカウントも必要になるので登録します。
登録の際、アカウント名は半角英数字にします。
2:FaceRigを購入


Steamにログインしたまま 「FaceRig」と「FaceRig Live2D Module」を購入しダウンロードします。
- FaceRig(¥1,480/たまにセールもあります)
- FaceRig Live2D Moduleの購入 (¥398/たまにセールもあります)
3:FaceRigをインストール
全ての項目にOKを押して、インストール完了です。
Live2DデータをFaceRigにインポート
Live2Dの「組込み用ファイル」は、通常は「キャラクター名のフォルダ」に以下のようなデータが入れられています。
(画像では「eko」がキャラクター名になっています)


設定ファイルとアイコンが無くてもインストールできます。
追加の設定ファイル「キャラ名physics3.json」が入っている場合もあります。
FaceRigをインストール出来ていたら、以下のフォルダが作られています。
C:ProgramFiles(x86)/Steam/steamapps/common/FaceRig/Mod/VP/PC_CustomData/Objects/
↑こちらのフォルダに「キャラクター名のフォルダ」ごとLive2Dデータを入れます。
これで作成したキャラクターが利用できるようになっています。
FaceRigでインストールしたキャラクターを確認
インストールしたSteamを起動するとFaceRigを選択できるので起動します。




起動するとこんな画面になるので「LAUNCH」を押すとFaceRig画面になります。


上部メニューからアバターを選択。


アバターギャラリーをスクロールしていくと、インストールしたLive2Dキャラクターが表示されるので選択。
(アイコンデータが無い場合は「?」になっています)


インストールしたLive2Dキャラクターが現れます。
FaceRigの日本語化
「アドバンスUI」の右メニューから「一般オプション(Preference)」→「言語(Language)」で日本語を選択できます。
FaceRig基本操作
モデルの移動・拡大縮小・回転
- 移動…alt+マウスホイール押し込んでドラッグ
- 拡大縮小…alt+マウスホイールドラッグ
- 回転…alt+左クリックのままドラッグ(3Dモデルに対応)
- 背景の回転…Ctlr+右クリックのままドラッグ
各種メニューの説明


起動して最初に出る画面は「ベーシックUI」と呼ばれ、画像の通り基本的な操作はここで出来るようになります。


右下のアイコンは、アバターを増やすことが出来て、複数人同時にカメラ前に居るとそれぞれの動きを、複数のアバターに同期させる事ができます。


右上のアイコンで切り替えられる「アドバンスUI」では、より細かな設定や配信・動画制作に使えそうな機能が出現します。



全部表記すると見にくくなってしまいましたね(汗)
だいたいこれで何ができるかはわかると思います


「アドバンスUI」では、さらに右側にも設定メニューが現れます。
こちらの「アバター」では「行動」タブが出現し、まばたきを両目合わせるなどの設定が出来るようになります。
「高度なトラッキング」では、細かいところまでカメラが捉えた動きとシンクロさせたい時に調整します。
「一般オプション」では、ロゴを隠したりスクリーンショットの保存先なども設定できます。
ZOOM等、他のツールでFaceRigを使うには
FaceRigを起動したまま使いたい配信ソフトを起動します。


配信ソフト側のビデオやカメラ設定からFaceRigを選択します。
すると配信画面でキャラクターが出現します。
パソコンや回線の環境によっては表示が不安定になる場合もあります。
FaceRigを商業利用するには
■ FaceRigライセンス
『FaceRig Classic』とは、個人ユーザーによる非商業利用、またはYouTubeやTwitch、ニコニコ動画などの動画投稿サイトを利用し、月500ドル未満の広告収入が伴う場合に利用可能な製品ライセンスです。
『FaceRig Pro』は製品としては『FaceRig Classic』と全く同じ機能を持っています。しかし、動画投稿サイトで月500ドル以上の広告収入が伴う場合にはこの製品ライセンスを購入する必要があります。
当記事で紹介しているのは「FacceRig Classic」にあたります。
非商用・広告収入がある配信の場合は「FaceRig Classic」か「FaceRig Pro」
個人での利用、月500ドル未満の広告収入を伴う配信の場合は「FaceRig Classic」の使用で問題ありません。
個人または年間売上20万ドル未満の事業者で、月500ドル以上の広告収入がある配信の場合はアップグレード版「FaceRig Pro」を購入利用することになります。
※どちらも「参加費・入場料が発生しないイベント会場での利用」も条件に入っています。
FaceRigを使った商品を販売提供など商業利用する場合は「FaceRig Studio」が必要
個人・法人問わず、配信ではなく動画作品としての販売や有料会員向けのサービスとして提供される場合は、FaceRig上位版「FaceRig Studio」を利用することになります。
こちらはライセンス条件がいくつかあるのでLive2D公式解説を参照にしてください。
参加費・入場料が有料のイベントでの利用は、音声・映像に直接支払われるものでなければ一般公開OK
有料のイベントでも、コンテンツそのものを販売するものでなければ、「FaceRig Classic」か「FaceRig Pro」での利用で問題なさそうです。
詳細はこちらでご確認ください
FaceRigでも使えるLive2Dデータは購入も可能
どなたでも購入でき、買った人だけのものになる1点限定販売など、モデルによって利用の範囲が設定されていたりします。
作らずにLive2DモデルをGETしたい方は…
Live2Dマーケット「nizima」でクリエイターが作ったモデルを購入できます。
公式が運営しているので安心して取引できます。


Live2Dモデルを作ってみたい人はこちら
私が1からLive2Dモデルを作成した手順をまとめています。


Live2D作り方の記事一覧はこちら
Live2Dモデルを他の方法で動かすには?
VTuberのように動かす「トラッキングソフト」比較
今回紹介した「FaceRig」以外にも、Vtuberのように動かせる有名な「トラッキングソフト」がいくつかあります。
それぞれ特徴があるので、自分の目的や環境にあったソフトを比較して選べます。


Live2Dソフト内でアニメーションを作る方法
Live2Dモデルを作成する「Live2D Cubism Editor」内でアニメーションを作ることができます。
ここで作ったキャラクターアニメは、映像制作用にはもちろんVTuberのリアクション設定にも使えます。


Adobe After EffectsでLive2Dモデルを動かす方法
プロの映像制作で使われる「Adobe After Effects」では、Live2Dモデルを通常のアニメーションのように使う事ができます。
表現の幅が広がるので、工夫次第で様々なアニメーション制作に使えます。

