電車通勤する女性の爽やかイラストを描きました。
働く女性が楽しく過ごせるようにと思いサンプル用に制作してみました。
背景の作画に、やや逆光の見栄えなど、制作の過程を紹介します。
背景の線画以外はCLIP STUDIO PAINTを使用しています。
キャラクターを可愛くしっかり見せつつ、キャラを目立たせるためにも他が不自然にならないよう背景に説得力が出るよう描き込みました。
ラフ作成
とても大まかに配置を決めます。
奥行きの方向と遠近感出したくて駅のカーブに挑戦しようと決めていました。
キャラクターは軽い動きで、多少モブキャラが居ないと寂しくなるかなと考えながらラフを作成。
パースの目安とキャラクターの線画前のラフです。
メインキャラは若い服装にしようか迷って、通勤時のコーディネートを参考に大人っぽく変えてみました。
仕事での制作時はこれに背景ラフ+軽い彩色したものを一度出すようにしています。
線画作成
ラフから起こした線画がこんな感じです。
髪のふわりとさせた毛束感や、どうしても面積広めになる服にはポイント的にシワを入れて情報量を増やします。
アニメ的な塗り方をするので、面積広い部分があると見応えが無くなります。毎回シンプルな服装ほどどうしたら見栄え良くなるか考えます。
背景をAdobe Illustratorで描く
背景の電車・駅はAdobe Illustratorで線画を起こしています。
人工物は図形に強いIllustratorで時短かつ確実に作画していきます。
電車の窓やホームの滑り止めなど連続するパーツは「ブレンド」機能を使って量産しパースに合うよう変形していきます。
これはこれで細かい調整はかかるので大変ですが、イチから描くよりは時短ができます。
量産に便利なIllustratorのブレンド機能
同じパーツを2つ作成し選択した状態で「ブレンド」「作成」を実行します。
2つのパーツの間にいくつか同パーツが生成されます。
オプションで生成する数などを指定できます。
正確には図形同士をメタモルフォーゼした図形が並ぶので、片方が違った形でもその間を模った図形が作成されます。
これを応用すると人工的な背景や柄などの作画に活用できます
イラストを塗り仕上げていく
線画に色を置いていきます。
奥行きにあわせて若干グラデーションを付けています。
全体的に青い色になりそうだったので、女性の服装は黄色+白、イヤホンや髪留めをアクセントになる色を選びました。
イヤホンも髪留めもピンク色で鞄にひっそりアクリルキーホルダーを付けています。好きな推しがいる設定で膨らませていきました。
今回はやや逆光気味なので影色をベースに、明るい色を足していきます。
モブキャラは背景に溶け込ませたかったので、電車やホームに近いくすんだ青色を載せました。
塗りを進めた結果がこちら。
各所ディティールアップを図り、ホームの地面はのっぺりとならないようグラデーションや汚しを入れました。
メインの女性キャラの影色にも少し青色を足しています。
ほぼ塗り終わった後に、まだ若干ぼんやりした印象なので明るさ等を調整。
塗り終えた各パーツに画像のように色調整をかけています。
仕上げの色調整でくっきりした印象になりました。今回はこれで出来上がりです。
奥行きを出すため、手前を濃く奥を明るく薄く調整しています。
メインの女性キャラは実は若干パースとズレているのですが、軽やかさを出すため足が見える配置にしています。
背景+キャラクターは生活の一片が見えてたのしい!
キャラクターだけを描くのも楽しいのですが、背景込みだとどんな生活をしているのかがわかる気がして描き応えも見応えもありますね。