20~30代の社会人でもアニメーターに転職ってできるもの?実際の経験から見た現実

動画マン原画マンを経験してきた元アニメーターのイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。

随分前にはなりますが、アニメーターとして3~4年働いておりました。

他業種からTVや映画を作るアニメーターへ転職できるのかどうか、実際の現場を見てきた1人として実状を紹介します。

もくじ

20代後半~30代でアニメーターになる人もいます

私の時は、同期のうち2~3人は20代後半の方がいました。

30歳前後でも未経験なら専門学校から

全く未経験の場合、20代後半~30代でも専門学校で1~2年基礎を学んでスタジオ入社されていました。

授業は半日で終わるところもあり、現在なら働きながら学べる専門学校もあります。

画力は必須

新卒では大半の人が専門学校や入社時に画力を鍛えていく感じですが、20代後半~30代の方となると既にしっかり画力が身についた方だけでした。

さらえみ

それだけ本気の覚悟を持ってアニメーターになっているということですね。

しっかり画力が身についているだけあって、20代後半~30代の方はその後も作画監督等へキャリアアップされていました。

経験者なら中途採用の可能性も

アニメーター経験者なら知り合いのスタジオに入社するケースもあります。

さらえみ

私も転職時に何度か誘っていただいたことがあります。

未経験で専門学校も通らず中途採用というのは、少なくとも私は見たことがありません。

30代以降で入るのは正直厳しい業界

アニメーターは稼げるようになるまでも稼げるようになっても大変な職人のような世界です。

最近では環境が整ったスタジオも増えてきているとはいえ、社員雇用にしているところは少なく、個人事業主扱いで、残業や休日出勤も頻繁にあります。

体力面でも生活面でも、画力も無い人が30代以降でアニメーターになるのは正直無謀です。

私は(地方で下請けで昔というのもありましたが)入って3年は数万~10万円以下の報酬でした。

現在は報酬がアップしたということも聞きませんし、物価も上がっているのを考えても・・・・・・
そこから保険を引いて生活費や交通費といったものを賄うことを考えるとかなり厳しいかと思います。

さらえみ

私はアニメーター時代に実家から抜け出すのは不可能でした。
友人は親の援助があって一人暮らしが出来ていました。

アニメーターの仕事内容と必要な能力

アニメーターの実際の仕事内容は以下の通り。

専門学校でも培っていく技術ですが、画力の無い方が授業だけで画力をメキメキ上げるのは難しいです。

練習や作品制作など授業以外でも腕を磨かないと、希望のスタジオへの入社は厳しいと思います。

手描きでのアニメーション作画

鉛筆で動画用紙に描くのが主流で、現在はパソコンで描くケースも増えていますが、どちらにせよ手描きで作画をしていきます。

よく一般の方から「CGで描いている」と言われますが、鉛筆で描くのが主流で3Dでなければ手描きで制作されています。

人物から様々なアイテムまで、様々な角度から描けるデッサン力が必要です。

実際の仕事では設定や写真参考はあっても、別の角度で描くということが頻繁にあります。

もちろん動かす分だけ絵が必要なので、正面だけ描ける……では仕事になりません。

動画マンでは、アニメの原画をキレイな線でなぞるクリンナップという作業があり、長く途切れない線を描ける技術も超基礎として必要です。

今は有名アニメの原画集も多く出ているので、印刷してなぞってみると腕試しになります!

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背景含めた1画面を作画

原画マンの仕事に、画面全体を描くレイアウトという作業があります。

こちらもよく一般の方から「キャラクターだけ描く」と勘違いされがちですが、画面全体を描くので背景やパースの知識も必要です。

これも販売されてる絵コンテや設定から1画面を描き起こしてみると練習になります。

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打ち合わせ

対面や電話で作画の打ち合わせもあります。

描いてさえいればいいと思われがちですが、実はコミュニケーション能力が必要です。

アニメは大きなチームワークですので、ある程度のコミュニケーションは必要です。

とはいえ、みんな似た趣味趣向なので割りと話やすい環境です。

アニメーターのキャリアアップは?

最初は動画マンや原画マンを経験し、その後のキャリアアップは代表的なのは以下の通りです。

作画監督・キャラクターデザイン

1話分にかかる多くの動画・原画を修正しクオリティを上げていく「作画監督」

動画や原画が作画しやすく世界観のバランスも考えて作品の人物をデザインする「キャラクターデザイン」

動画・原画を経験し能力が高いと作画監督になり、その中でも1部の方がキャラクターデザインになれます。

業務内容は変わらずハードですが、作画監督までなれば生活できる報酬は得られるようになります。

監督・演出家

アニメーションの大きな方向性画作りをする「監督」や「演出家」です。

監督や演出家は、作画能力だけでなく作品全体を構成する能力も必要で、険しい道のりですがアニメーターからなった人も多いです。

20代後半~30代でも専門学校の体験入学参加者はいます!

ここまで私の知っていることを書きましたが、実際に希望のスタジオ直近の状況については、専門学校に行ってみて聞くほうが早いです。

体験入学はやはり若い人が多いですが、20代後半~30代でも参加される方はいますので気軽に行っていいと思います。

体験したら必ず入学しなくてはいけないものではありませんので大丈夫です。

専門学校も色々ありますので、いくつか合いそうなところを見に行くと学校ごとの特徴も見えて良いです。

さらえみ

個人的にはデッサンの授業があるところで老舗のほうが業界の事情にも詳しくてオススメです。

アニメーター「から」転職するケースは?

アニメーターになった後、他へ転職を希望する方もいます。

さらえみ

私のまわりでは大半の方が一般職になりましたが、私のように別のクリエイター業に転職するケースもあります。

アニメーターからの転職は、スキルの学び直しも多少出てくるので、若くないとキツイところがあります。

なるのも辞めるのも早いほうが良いですね💦

実際のアニメーター経験談はこちら

実際のアニメーター時代の経験談を、良かったことも悪かったこともすべて記載しています。

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