動画マン原画マンを経験してきた元アニメーターのイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
キャラクターを喋らせたい時に、TVアニメで長く使われている方法を知っておくと参考になると思います。
作画枚数が少なくてもそれっぽく見える方法を紹介します。
3パターンの形だけでも喋らせられる
こちらのgifは「閉じた口」「中間の口」「大きく開けた口」の3枚だけで動いています。
口の形と発音の関係
「閉じた口」……母音「う」に当てはまる音と「ん」
「中間の口」……母音「い」「え」に当てはまる音
「大きく開けた口」……母音「あ」「お」に当てはまる音や「大声」
TVアニメで簡易的に表現する時は、この3枚を組み合わせて動かしています。
母音の5パターンあるとリッチな表現に
「あ」「い」「う」「え」「お」と母音別に5種類の口の形を用意する方法もあります。
「か」と喋る場合は母音の「あ」の形、「め」と喋る場合は母音の「え」の形といったように、5パターンを使い分けます。
これに「閉じ口」を口の形ごとに増やすとよりリッチな表現になります。
口パクだけで不自然な場合は前後に「予備動作」を追加
母音にあわせた形を繋げても、不自然に見える場合があります。
そんな時は、間に「閉じ口」を入れてみたり、大きく口を開ける前に中間の口を入れたりすると良い感じに見えます。
口パクに限らず、こういった「予備動作」を入れると、少ない枚数でもより自然な動きになります。
舌の動き方をイメージして口の中を描く
口の中を横から見た簡略した断面図です。
舌は下あごに乗っているので、舌の厚みと、開く角度によって見える範囲が違うことをイメージして描きます。
私はこのように基本を習ってきましたが、英語のように舌を上顎に乗せて発音するのを表現するなど、作品のクオリティやアニメーターさんによってこだわりが違う場合もあります。
口の動きだけでも表現方法の工夫がある
単に口パクというと簡単そうに見えますが、不自然に見えないようにするには表現方法を工夫する必要があります。
自分の表現にどれをあわせるか、基本の動作を意識しておくと違和感なく動かせると思います。
口の形は時代によっても変わっています。
最近は、普通に喋る分にはそんなに大きく変わらない印象があります。
こだわりたい場合は、いろんなアニメを観て研究してみてください✨