フリーランス経験を備忘録としてブログに書いていってる、イラストレーターさらえみです。
フリーランスイラストレーターとして活動していてよく聞かれる事のひとつが、交渉についてです。
私もフリーランスとして仕事をするにあたって、値段とか交渉しないといけないものでは・・・とビビっていました。交渉って会社員ではよっぽど上の立場にならないと経験できないですよね。
今のところ難しいなと感じるところはあっても、仕事になったりならなかったりを経験していくうちに、フリーランスになる前ほど怖がることはなくなってきました。
私もまだまだ考え中ですし未熟な部分はあると思うので、参考程度に見てみて下さい。
交渉と考えるから怖くなる・・・会社でのお話と同じ
交渉しないと正当な値段にならない、交渉しないと仕事が取れない・・・と思ってしまって「交渉」というものにハードルを感じているのかもしれません。
交渉って普通に会社で社員同士で話する相談と同じようなものでは・・・というのが今の私の感覚です。
こちらの要求を無理やり通しても信頼感が薄れて良い仕事にならないですし、良い気持ちで仕事したいので相手の事情も汲みつつお話する。
同じ職場で働いている人達と喋る時も、良い仕事をしていきたいので、嫌な感じでお話はしないですよね。
相手が欲しいものを考える
交渉はいろんな場面で発生すると思います。例えば依頼内容について、どちらがどこまで対応するのかとか。
私はどの場面でも、依頼を検討して下さってる方の欲しいもの叶えたいものは何かを考えるようにはしています。
制作依頼したいクライアント様は、もちろん作品・商品そのものを求められていますが、それを通して見てもらうユーザーさんにこう感じて欲しい、こう思って欲しいという要望があるはずです。
自分が出せるものを提案してみる
上記の相手が欲しいものを考えた上で、自分が出来そうなことを提案してみます。
例えば、お聞きした依頼内容に+αとして「もし必要でしたらこういうことも出来ますよ」と伝えてみたり、ラフ提案時点で指定されたこと以上に「こういうのも良いのでは?」とひとつ提案してみたり。
慣れないうちにいきなりあれもこれもと出してしまうと、意欲が見えて良いかもですが・・・単に自分がやりたいだけに見えてしまって相手を置いてけぼりにしてしまい、ひょっとしたら戸惑って本音を言えなくなってしまう事もあると思うので、程々に「相手と一緒に作る」くらいのイメージで対応するようにしています。
話し合ってより良い物づくりができるのが理想ですが、いまだに見当違いや事情により叶わない場合もあります。
相手の事を考えながら「こういうパターンもあるんだ」と経験を積んでいく事で、視野が広がっていく気がしています。
会社が出せる予算は決まっている
交渉と言われるものにはお金についての話し合いも含まれると思います。
クリエイター側がどんなに報酬を欲しい欲しいと思っていても会社が出せる予算は決まっています。
最初から決まった額を提示される方や、逆に聞いてこられる方など様々で、後者は頼まれる方の予算感がわかりません。
こちらから金額を提示して、あまりにも合わなければ仕方ありません。ちょっと合わないけれど互いに仕事したいな〜という場合は金額以外の条件などを相談します。
なぜこの価格になるのか説明する
自分から提示する額については、どうしてこの価格になるのか説明できるようにしておくと、交渉・・・相談の時にわかりやすくなりますし、自分の中でも整理がついて納得して仕事に励めます。
例えば、自分の仕事の特徴とか、これまでの実績とか、独自のサービス付けるのもアリかも。
そのためにも実績や作品の魅力を磨いて行くのも説得力に繋がりますよね。私も今に甘えずしっかり磨いていきたいと思っています。
機材代とか描く時間がかかるからなども理由には含まれますが、他者と価格は違うと思いますので、他の人と同じ理由では自分も相手も納得しづらいかもしれません。
分割払いを提案してみるのも
予算が足りない場合や、支払いタイミングを調整して欲しい場合は、分割払いを提案してみるのも良いと思います。
相手も選択肢が広がりますし、無理に払ってもらって相手の事業に支障をきたすようでは本末転倒ですしね。
私の場合、どうしてもかかる費用が大きく制作期間が長期にかかるアニメーション制作などに分割を提案させていただく事があります。
別の方法案を提案する
条件が合わずどうにも自分で対応できない場合は、代案を提案することもあります。
例えばイラスト欲しいけれど条件合わない時、外部サービスや他のイラストレーターさんを探す方法を伝えることもあります。
知り合いに合う人が居れば紹介することもあります。
依頼検討している人も探すのが大変だと思うので、単に断るだけより良いかなと思っています。
特にこれで仕事が減る印象はありません。
下にも記載していますが、無理に引き受けてもお互いに良い結果にはならないので、相手の大変さを察しつつ対応するようにしています。
無理な要求は丁寧にお断りする
明らかに金額が合わない、締切が短すぎる、業務内容の範囲を超えているなど、もし対応できない無理な要求が来た場合は丁寧に断るようにしています。
こちらがその金額では難しいなぁ・・・と思うように、相手にもこの予算しか出せない事情はあると思います。
それを汲みつつまた何処かでお会いするかもしれないつもりで返事するようにはしています。
例えば、ウチでは無理でも使えそうな外部サービスを案内したり。
でも名前も無いし中身が薄すぎる3行程度の文だしで明らかに失礼だなぁ・・・と思う問い合わせはスルーすることもあります。誠実な問い合わせ優先にはしてしまいますね。
無理な要求に無理矢理応えてしまうと後々しわ寄せがやってきます。
お金が足りなくて、手が回らなくて、自分の仕事が破綻すると、自分の生活や健康ももちろんですが、普段お世話になっているクライアント様や正規の条件で任せたかったクライアント様にもご迷惑をかけてしまいます(自分の代わりは居るとは言うものの・・・期待を裏切ることには多少なるかなと)
どこまでが無理なのかの判断が難しいですね。
無理かも・・・と思ってよくよく話を聞いてみると工夫すれば充分できる!といったご依頼もいくつかありました。
逆に出来る案件と思って進めてみたら、明らかに無理な要求で中断~!ということもありました。
私はフリーランスになる前にも、会社員でクリエイター業やっていたのである程度わかりますが、それでもひょっとしたら失礼な返事しちゃったかなとか上手く汲めなかったなとか失敗はあります。
これも経験値積みながら自分の物差しを作っていくものかなと思っています。
ミスマッチを防ぐために出来ること
「交渉」という話し合いの結果、上手く進んだり合意できなかったり、それぞれ事情があるので全てが上手くいくとは限らず、様々な結果が出ます。
経験値を高めればより上手くいくのかもしれませんが・・・今の私の感覚では以上のような感じです。
合意できない場合ってミスマッチが起こっているからで、それを多少でも防ぐ事はできるかなと思います。
私の場合、営業ツールはWEB・ブログを主軸にしているので、そこに掲載している情報を修正することがあります。
求められていたものが出来る事と違った場合はどこかの情報を見て誤解を与えてしまった可能性が高いです(相手の早とちりな場合もあるかもしれませんが)
そう思える箇所を修正したり、出来る事のアピールを強めにしたり気をつけるようにしています。
交渉も奥が深いので他にも様々な良い方法があるかもしれません。私もたった数年やったくらいですので・・・汗
基本的には、我儘を通すわけではなくお互い良い仕事をするための話し合いだと思って対応するようにしています。