イラストレーターとしていざ営業をかけようと思っても、自分はどんなポイントがウリになっているのか迷う事もあります。
相手に伝えなきゃいけないのに、自分で迷っていては営業しづらくなります。迷いが生じると最悪、仕事や作品にも影響が出てしまうことも。
見落としがちな「何のためにイラストで仕事をするのか」を考える重要性と見つけ方を紹介します。

私もこれまでガンガン迷ってきました。
これから営業を進めていきたい人や、仕事はあるのに何故かストレスが溜まってしまう人にも参考になるかもしれません。
「何のためにイラストで仕事をしたいのか」というテーマがあると仕事を取りやすくなる
闇雲に「なんでもやります」と営業するよりも、「こんなテーマで想いがあって作っています」「〇〇のためにイラストを制作しています」と伝えると、とても印象に残りやすいです。
イラスト業をしている根拠が出てとても説得力があり、共感してもらえたクライアントが多くのイラストレーターの中から「この人に頼んでみよう」と思い、選んでもらいやすくなります。
上手いだけでは選ばれない。自分の余計な疲弊にも繋がってしまう事も…
とにかく絵が上手ければ仕事が来る…かもしれませんが、見つけて選んでもらわないことには仕事へと繋がりません。
絵が上手い上にイラストを仕事にしているテーマがあると、イラストレーターを選ぶ時の判断材料が増え、同じ上手い人の中でも頭一つ飛び抜けた存在になります。
上には上がいるという厳しすぎる現実…
私も仕事はできていますが、日本一世界一上手いワケではありません。
どの業界でもそうですが、上には上がいます。ここまで上手くなった!と思ってもさらに上手い人がゴロゴロいるのが現実です(涙)
イラストレーターとして上手くなるんだ!という意識も大切ですが、その技術だけで仕事をしていると「私よりも上手い人たくさんいるのに…」「私なんて全然下手…」と自信喪失に繋がってしまいます。
クライアントからすると仕事として満たしているレベルの絵があれば充分で、そのレベルを達成しているのにやたら自信喪失している人は選びにくいのではないでしょうか…
「イラスト業を何のためにやっているのか」を知るのは、営業力UPに繋がりますが、自分で認識して自信を取り戻す効果もあると思っています。



自信過剰すぎても良くないですが必要以上に自信の無いクリエイターさん本当に多いですよね。
私も今まで何度も何度も下手だなぁ…と自信を失う事がありました。
描けない人からすると描ける事は凄い事なので、必要以上に自信喪失しなくても良いのです。
もちろん腕を磨き精進も続けつつも、胸張って仕事できるように、何のために仕事をしているのか見つめていく必要があります。
自分だけがプラスできる価値を見直せる作業になる
物が売れるのは何かしら価値があるので売れていきます。
お金を払って楽しめるブルーレイを買ったり、美味しい食べ物を買ったり。
イラストそのものも、場が華やかになったり、情報を伝えたりと役割はあります。
その役割はすべてのイラストに共通するものなので、それにプラスして自分だけが持っている価値も足せると大きな強みになります。
発注する側も選びやすくなる
先述したように、イラストの良さにプラスして「~のために描いている」という想い・テーマがあると、似たような絵柄の人がたくさんいても選ぶ判断材料になります。



私は最初の頃に「アニメが好き」というのをアピールした結果、アニメテイストが欲しいクライアント、アニメ好きな話で盛り上がるクライアントと繋がることができました。
上手さだけでは値段で選ばれてしまう可能性も…
自分のウリが少なく、作品のテイストやクオリティ…要するに上手さだけで売ろうとすると、似たテイストの方と比べて値段の安い方を選ぼうとふるいにかけられる可能性が出てきます。
同じようなイラストなら安い方を求めるクライアントも沢山います。
一方で「値段ではなく、より良いものを欲しい」と考えるクライアントも結構います。
なので、値段だけで選ばれない自分のウリが必要になります。「何のためにイラスト業をするのか」も自分のウリのひとつとなり、作品にも想いが滲んでより良いものとなっていきます。
「事業」とは利益を上げることも大事な任務
生活のためイラストを描くためにお金を稼ぎたいに決まっているのに、自信がなくて安すぎる案件を受けたり安い料金設定をされている方もたくさん見かけます。
「お金を沢山稼ぐのは悪い事なのでは…」と思う日本人多いですよね。
そう思ってしまうのは結構極端な考え方で、稼ぎ方や使い方をイメージすると、決して稼ぐ事そのものは悪い事ではないと気づくはずです。
人を騙したり悪い事をして稼ぐ、せっかくあるお金をどうでも良い事に注ぎ込んでしまう…となるとそれはもう誰が見ても悪いですよね。
- クライアントの目的のために想いをもって精一杯良いイラストを描いて稼ぐ。
- そのお金でより良い仕事をするための道具を揃える。
- お金をもっと良い絵を描くための学びになる事に使う。
- 自分が健康でないと描けなくなるので健全な生活できるように使う。
- さらにお金があるなら同じ想いの人や企業を応援することに使っていく。
といった稼ぎ方・使い方だとどうでしょうか?
使い方の例は、自分が生活し成長もできて、まわりも幸せになっていく使い方で、必要なお金です。これだけ稼ごうと思ったら、安すぎる案件や料金設定では叶えられません。
稼ぎ方の例は、絵のクオリティや想いなど自分のウリにお金を出してくれた、クライアントへ精一杯応えてお金を貰うので、とても立派な稼ぎ方です。
フリーランスは個人事業主とも呼ばれます。企業と同じく「事業をして利益を得る」というのは、良い使い方をするために必要なお金を世の中の役に立つ物を提供する事で稼ぐ…ということだと思っています。
「何のために」を見つけるには自分の大切な価値観を意識する
では「何のためにイラストで仕事をしたいのか」を見つけるにはどうしたら良いのか。
すぐにパッと思いつく方もいるでしょうし、ただただイラスト描くのが好きすぎて思いつかない人もいます。
元々自分の中にあって作品作る時にも何気に意識されているものなので、じっくり自分の事を考えていけば必ず見つかります。
自分が仕事や普段の生活で大切にしている価値観を思い出していくと、何のためにイラスト仕事をしたいのかが見えてきます。
「そういえばそうかも?」と普段意識してなかった価値観は結構ある
私は独立するまでそんなに自分の価値観について考えた事はありませんでした。
よくよく考えてみると、好きなアニメはキャラクターを中心に見てしまうし、ずっと根暗な性格で自信無いなと思っていたけどそもそも落ち着いて一人で居るのが好きなほうだとわかりました。



なので、ハイクオリティを追求するよりも、キャラクター性を出したイラストで仕事をしたいと思っていますし、集中したい時は一人で籠もれるようにしています。
自分で意識してなかった価値観や特徴を知るには、以下のような方法があります。
好きな物を並べて何故それを好きなのか考えてみる
ひとつひとつ考えていくと共通点が出てきたり面白い発見があります。
自己分析系のツールを試してみる
客観的に自分を見れる自己分析ツールを使うと、自分では無意識だった価値観に気づく事もあります。
その時の気分で回答するものもあるためツールによって違う結果が出る場合もあるので、変にのめり込みすぎず参考程度にやってみるのをオススメします。
例えば以下のようなツールがあります。普通に楽しんで出来ますが、認識してなかった意外な発見もできます。
エムグラム診断


質問に答えて8つの性格が分かる性格診断テスト。かなりの種類があるので診断が誰かと被る事はまず無いです。



私は警戒心や慎重さが高いと出ました。
なるべく正確なものを出そうとする反面スピードが出せないタイプ。
感受性も高めなので他人に影響され振り回されやすいです。
エゴグラム診断
エゴグラム診断も数々の質問に答えて結果が出る診断で、5種類の性格要素からどれが強いかがわかる内容です。
エゴグラム診断で検索すると色んなWEBサイトが出て来ます。どちらで診断しても大差無いと思います。



エゴグラムでは生産性や行動力が高く、厳しさゆえうっかりすると冷淡にも見えてしまうと出ました💦
強み探しにもなりますが、今後の行動を見直すきっかけにもなります。
動物占い


昔流行ってたそうですね(知らなかった)生年月日で12種類の動物に分類されます。
上記サイトではさらに、他人からこう見られやすい「表面」や考える際の「意思決定」など細かい部分まで診断されます。
個人的には最初ピンと来なかったのですが、他の人の診断結果と比べていくと共通点がハッキリ見えてきます。



私の場合は、物量出せる速い印象の表面チーターですが、本質は楽しさを重視し慎重で計算高いコアラだったりしています。
ストレングスファインダー
ビジネス界隈で有名な有料の診断ツールです。2000円前後かかります。
↓書籍に付いている1度しか使えないアクセスコードを利用します。使用済の可能性が高い中古本はオススメできません。
↓本を購入せずアプリで課金して診断する方法もあります。
こちらも質問に答える形式で、無意識に繰り返している行動や思考が判明します。34種類の資質から5種類高い順に選ばれます。



私は「最上志向」「戦略性」「内省」が高く、人の強みに注目することや自分の中で考え抜く事が得意。
人の話を聞きすぎると迷いが生じやすいそうです。
こうしてみると、どの診断ツールでも似たような結果が出ている事が見えてきます。
他人から言われた自分の事を思い出す
自分のことは自分では見えにくいものなので、家族や友人など他人に言われた事を思い出してみるのもアリです。
仕事をしている人は相手先からの評価も参考になると思います。



私は昔、通信簿にかなりの確率で「縁の下の力持ち」と書かれてきました。やはり表に出るタイプでは無いですね。
嫌いなものを並べてなんで嫌いなのか考えてみる
好きな物の理由を考えるのも良いですが、嫌いな物も価値観を知るのに役立ちます。
好きなジャンルに貢献!でも本当に好きな事はどれ?
「好きなジャンルに貢献するためにイラストの仕事をする」というのもストレートで良いと思います。
が、好きなジャンルそのものが本当に好きなのか、どこが好きなのか、まで考えてみると、実はちょっと違っていたということがありました。
私はアニメが好きなんですが、どこが好きかというと、キャラクター性やキャラクターが楽しく動いているところで、アニメを作るのもそこそこ好きなのですが、やはり見るほうが好きです。
好きでアニメーターになりましたが、その時もクオリティの追求よりキャラクター表現を重視して作画していました。
また小さい頃、漫画が好きで自分でも描いていましたが、表紙と設定ばかり描いていました。現在何度か漫画連載にチャレンジしましたが続かなかったのも、イラスト描くほうが楽しいのも納得できます(汗)
好きなジャンルでも「観ること」「作ること」「成長させること」「伝えること」など、実は違う理由が潜んでいて、それによっては活躍できる場も変わってきます。
私の場合は「人がときめく時間を作る」ための仕事をしています
私自身、アニメやエンタメを楽しんだり生で観に行く事が大好きで、その推しとの時間をより楽しもうとするためにグッズを吟味したりわざと一人で遠征したりして、この時間のために生きてきたわぁ~!と強く感動しています。
そういった自分も含め、人のときめく時間を増やしたりより良い時間になるような仕事をしていきたいと思っています。
この定義にするまで色々変わっていったのですが、イラストでもデザインでも現在も気持ち良く続けられている仕事はこの価値観に沿った内容になっていて、今後もそれを伸ばしていこうと考えています。
「何のために」を見つけられるオススメの本
上記でお伝えした方法は私が独立してから数年やっていた見つけ方です。
これだけでもハッキリした「何のためにイラストで仕事をしたいのか」を見つけられる人もいるのですが、私は見つけたもののまだしっくりこない…と思っていました。
同じように色々やってみたもののハッキリ見つからなかった人には、こちらの本をオススメします。
より細かく論理的に「自分は何のために仕事をしているのか」が、ハッキリ導きだせるので目からウロコでした。
既に自分の価値観をある程度洗い出しているととても進めやすくて、すぐに明確な答えが出てきます。
「何のために」があるとイラストじゃない仕事が来る事も
私は最初アニメが好きなので「アニメが好きでアニメテイストの絵を描いている」といった事を掲げていました。
そうするとアニメが好きなクライアントが来るようになりました。何もアピールせずイラストだけ上げていたら他のイラストレーターさんに埋もれてそうした仕事とも繋がれずにいたと思います。
そのうちに今も続けて担当させていただいている、アニメ商品のデザインを任されるようになりました。
単にデザイン経験があるからだけではなく、アニメ好きで世界観やキャラクターを大事にしたい価値観を買っていただいています。
そして今の「何のために仕事をしたいのか」にもガッチリ合っています。
このように、作品以外にもアピールできるところがあると意外な仕事が来ることもあります。
最悪、何らかの事情でイラストが描けなくなっても、同じ価値観のもと自分を活かした仕事を持てる可能性が高くなります。
アピールのコツをヒントを詰めこんだnote公開中
今回の話をより深掘りしたヒントやポートフォリオサイトの作り方など、駆け出しの人ができるだけ早く実績を掴むコツを、まとめた『フリーランス独立ガイド』をnoteで公開しています。
契約書テンプレートやお役立ち情報などを詰め込んでいますので、もしよかったら見てみてください。
上手い下手ではなく仕事をするテーマがあると仕事獲得しやすくモチベにも繋がる
イラストレーターとして仕事を取るために、画力がある・絵が上手いという点ももちろん仕事獲得には繋がりますが、「何のためにイラストで仕事をしたいのか」があるとより仕事獲得しやすく、上手くなる前から仕事を取れる可能性もUPします。