まだまだ成長途中、イラストレーターさらえみです。
先月、有名なイラストレーター上田バロンさん(@BARON_UEDA)の個展と、今月蔦屋書店でのトークイベントに行ってきた時の感想です。
イラストレーター上田バロンさんについて
FR/LAME MONGER代表 /イラストレーター
2000年から大阪で独立。Adobe Illustratorを使いボールドラインでアグレッシブかつ「バロン目」と呼ばれる目が個性的なキャラクターイラストレーションが特徴。
主に広告や書籍カバー、CDジャケットのほか、企業、商業施設、ゲームなど国内外と幅広く展開。イラストレーションやキャラクターデザインを活用したカテゴリを越えたアートディレクションを得意とする。
「増山超能力師事務所」カバー
「人狼ゲーム」幻冬舎 イラスト
「チーズタルトPABLO」PABLO COFFEE 心斎橋 壁画イラスト
「FM802」キャラクターデザイン
「LIMITSデジタルアートバトル」世界3位
イラストレーターとして活動されて20年。関西で一番売れていると言っても過言ではありません。
私が他のイラストレーターとユニットで開催しているトークイベント「柿間久留乃プロダクション」でも2018年末にゲストで登壇していただき大変お世話になりました。
私は2017年末に参加した大きな交流イベントにて初めてご挨拶させていただいて、それまでも作品はよく存じておりましたが制作した御本人と出会えてゲスト登壇していただけるとは、夢にも思わない出来事でした。
自分の個性とデザインを武器にクライアント目線で提案して他のクリエイターさんも巻き込み、デジタル作品の価値を高めて仕事をされている姿にとても憧れます。
デジタルなのにリアルで見る価値にあふれた個展
2019年1月大阪にて行われた個展では、これまでのクライアントワークを中心にギャラリー所狭しと多くの作品を見ることができました。
デジタルで描かれているものをアートとして見る価値とは・・・作品集で本として見るのも同じでは?と思いそうですが、大きくこだわりの印刷技法で出力されたものは、細かい部分まで発見ができ圧巻でした。
遠くで見ても美しく、近くで見ると細かく薄いラインが見えるのもバロンさんの作品の特徴だと思います。
特に、オリジナル作品LustやSloth(作品集見て!)などは、展示では金箔を全面にあしらった上に特殊印刷+細かい所にはラメなどの細工もあって、写真や本では絶対感じることのできない感動がありました。
質感を施すことでリアルに展示することの価値を高めているのがカッコよく、クリエイティブの自由も感じてとても印象的でした。
本来なら実際に飾られていた京都でしか見ることができない作品で、貴重なものを見せていただきました。
先行発売していた作品集にサインしていただきました!
作品集に関わったクリエイターが揃った蔦屋書店でのトーク
2019年2月に蔦屋書店でトークイベントがありました。作品集について制作話も聞いてみたいと思い参加してみました。
司会は「柿間久留乃プロダクション」でも司会しているファッション系イラストレーターのtica ishibashiさん(@tica_iiiibbbb)が担当。憧れるからこその目線での、トークの投げかけは小難しくなりすぎずとても聞きやすかったです。
編集さん、デザイナーさん、翻訳家さんまで揃ってのトークは珍しいのでは。蔦屋書店の落ち着いた贅沢な空間で作品集のこだわりを聴くことが出来ました。
「自分だけでは独りよがりな物に仕上がる懸念があったので、客観視を取り入れて制作したかった」と、人に届けるものである作品集へのバロンさんのこだわりがありました。
翻訳家さんもついているのは、作品集にはキャプションの英訳が掲載されており、やはり海外を視野に入れてのこと。
デザインは、色の出し方、質感のある用紙選択、スタイリッシュなフォント(バロンさん作!)とマッチするレイアウトまで、バロンさんの要望や世界観に合うものに仕上げられたそうです。
私は特に編集さんの「1人のアーティストの120ページもある本なので、中だるみしないように気を使った事」「(編集さん自身の)インプットのためにミーハーであることも重要」と仰っていたのが印象的でした。
編集さんの感覚はなかなか聞く機会が無いので、作品のあれもこれもと入れそうな所を中だるみに着眼して取り組んでいる事に流石と思いました。実際、作品集には各章に区切られた作品群にインパクトの強い作風のものが点在していて工夫が随所にあることを、トークを聞いていて思い出しました(作品集見て!!)
あとは私がミーハーなので、たまに「やっぱクリエイターって業界に染まらないとダメなのかな?」と思う時もあったので、大ベテランの方の言葉に安心しました(ミーハーばかりではなくバランスが大事だとは思っています)
イラストレーターが憧れる道のひとつを自ら作り出されています
お会いする以前は、アーティストとして成功されている凄い天才な方・・・といった印象が強く、自分とはかけ離れすぎていて関係のない世界だと思っていました。
実際にお話を聞くと、自分の個性を大事にしながらもクライアントさんの本当の要望を見出して、人任せにせずきっちり自分で良いカタチでの交渉もして、エンドユーザーに届けるところまで妥協せず制作されていて、クリエイターとして生きるために学ぶところがとても多かったです。
物凄く親身に仕事について本当に沢山お話して下さいますし、ものすごく忙しいはずなのに個展でお客様全員に作品集にイラスト付きでサインして下さって、サービス精神旺盛な所も尊敬しています。