元アニメーターで現イラストレーターの、さらえみ(@saraemiii)です。
デジタルでアニメ作る道具はなんとなくイメージつきますが、アナログで作画したい時に何を使えばいいかはあまり知られていないと思います。
今回はプロも現場で使っていたアニメーターのアナログ作画用道具を紹介していきます。
トレース台
1枚1枚絵を透かして作画するアニメに必須なトレース台。
昔と違って現在は手軽にトレース台を購入することができます。
昔と比べて購入しやすいお値段、LEDなので蛍光灯と違って紙が曲がりにくい熱くなりにくい…とメリット盛り沢山です。
昔ながらのトレース台が組み込まれたガチアニメーター机は↓こちらで購入することができます。
専用の用紙
アニメを作るには「タップ穴」が空いた用紙が必要になります。
通常TVアニメには3000枚以上の紙が使われます。
さらに修正やラフを作画するとなるともっと量が必要になります。
なので、だいたいアニメ用の「動画用紙」は100枚単位で売られています。
実際の現場では余るくらいの量を支給されます。
メーカーによって紙の厚さや描きやすさは多少違っています。
絵コンテから画面設計をする際に必要な「レイアウト用紙」も販売されていました。
動画用紙より薄めで画面枠が印字されているのが特徴です。
アニメ用タップ
作画用紙を固定するために「タップ」も必要になります。
タップもメーカーによって厚さや軽さが違っています。
私は厚く重めのほうがズレにくくて好きでした!
タップ用穴あきパンチ
用紙を大量に買うのはちょっと……
下書き用の紙はもっとコスト抑えたい……
という方はコピー用紙などにタップ穴を開けられる道具もあります。
昔から変わらずの評判なので、いろんな余裕がある方は検討してみてください。
ダブルピン
タップ使わず作画する際に使っていたピンです。
大きいサイズや回転させたいなどの際に、複数の紙を2本以上のピンで留めて使っていました。
ピンの底面が平面になっているので、紙を留めても段差ができにくいので作画しやすく重宝します👍
しかも意外としっかり留まります。
イラスト作画にも使えそうですね。
硬質色鉛筆(赤/水色)
ここからは個人制作だとひょっとしたら必要無い場合もある道具になります。
色のついた線「トレス線」を引く際に使っていました。
「赤色」は主にハイライトに、「水色」は主に影用に使われています。
原画集などを見てみると色鉛筆で指定されてる箇所がわかりやすいです。
鉛筆
メインの線を引くために必要な鉛筆です。
シャープペンシルだと細すぎて、線に力が無い、紙に跡が付いて消しにくいデメリットがあります。
色鉛筆
こちらは「硬質」ではない、塗って指示する際に必要になります。
作品によって違う場合もありますが、影色に水色・黄緑・ピンク・オレンジ、ハイライトに黄色、真っ黒な部分に緑色が使用されています。
鉛筆削り
これだけ鉛筆を使うので、電動鉛筆削りも必須です。
こだわってカッターで削って使うアニメーターさんもいました。
絵コンテ
シナリオから作りたい人は、絵コンテ用紙も必要になります。
絵と内容の他に、タイトル、カメラワーク、セリフ、秒数、カットNo.を書き込んでいきます。
個人で節約したいなら自分で枠を作って印刷して使うのもアリです。
名作の絵コンテ集もよく売っているので参考になると思います。
全部ではなく目的に合った道具を揃えよう
特殊なものから意外な道具まであり、かかるお金もピンキリです。
色や映像として仕上げるには、プロの現場だと別の専門スタジオや部署に回さます。
自主制作の場合はパソコンやスキャナーが必要になります。
色を付けなくても映像データにしておけば、ポートフォリオ作品としても使えると思います。