キャラが映えるイラスト構図とは?すぐ使える初心者向けのコツ

いろんなクリエイター経歴を持つイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。

イラストを描いていて必ずぶつかるのが『構図』です。

見栄え良く、視線誘導できる配置にしたくて、いざ構図を学ぼうにも「◯◯技法」といった難しそうな言葉ですごくハードルを感じてしまいます。

伸び伸びと描きたいのに、構えてしまって筆が進まなくなることも。

この記事ではそんな初心者向けに、「◯◯技法」という難しい専門用語はなるべく控えて、よく使うすぐ使えそうなものを「どんな効果があるのか」をメインにまとめてみました。

描くハードルを下げて楽しく進められるお手伝いになればと思います。

さらえみ

私も構図が座学感あって大の苦手です。
とりあえずできそうなものから試してみて、描くのが楽しくなったら、技法を調べてまた試していく…と楽しく身につくと思います。

もくじ

キャラクターに注目させる構図

キャラクターを目立たせたい時に簡単にできる工夫をまとめました。

ど真ん中に棒立ち以外のポーズで

単に1人に注目させるだけなら、結局ど真ん中が一番目立ちます。

が、棒立ちは不自然で悪目立ちするので何かしらポーズは付けたいです。

画面の左右どちらかの上側に顔

立ちポーズでバランス良くおさまりの良い構図です。

さらえみ

キャンバス全体のキャラ占有率が高くて、わかりやすい方法です。

三分割法
四分割法
三分割法

三分割法・四分割法を使うと、背景込みや寝てる構図などにも応用ができます。

頭の向きを変えたい・いろんな仕草をさせたい時に試してみてください。

効果線に近いものを配置

髪や服や手などで顔に集中するような導線も何気に効果を発揮します。

あまりに集中線ぽくやりすぎると不自然に見えるので、髪や服をなびかせる時に少し意識すると良さそうです。

前に物を置いて奥行きを出す

背景をしっかり描かなくてもキャラの前に物があるだけでグッと見栄え良くなります。

手前にあるものは、少しぼかすと簡単に遠近感が出ます。

動きのある華やかな構図

動きのある華やかな印象を出したい時にできることをまとめました。

逆三角形ができるポーズに

頭や手などを頂点に逆三角形を意識した構図にすると、下部分が不安定に見えて動きが出やすくなります。

さらえみ

これもオーソドックスな手法で、意識すると多くのイラストで見かけるはずです。

S字を意識したポーズ

女性をはじめとした、しなやかさを出したい時にS字を意識するとメリハリが効きます。

胸と骨盤が離れた位置になるので、動きのある印象になります。

さらえみ

S字といってもゆるやかなラインを意識すると自然なポーズで描きやすいと思います。
肩と骨盤の傾きを意識したコントラポストを使うのも手。

斜めに傾いた構図にする

水平にした構図よりも、斜めに傾けたほうが動きのある活発な印象を受けます。

さらえみ

これも簡単にできる定番の方法です。

まわりに何かを散らす

キャラクターというよりも画面全体のにぎやかさになりますが、パーティーの紙吹雪のように、まわりに散らすものがあれば華やかで動きのあるイラストになります。

大人数をまとめる構図

大人数を描く時に、ごちゃごちゃしすぎず見やすくなる工夫をまとめました。

1列に揃える

漫画の扉絵とかでよく見るような構図です。

1列に揃えると、顔の向きやキャラ同士の絡みも見せれて、キャラそれぞれの個性が比較しやすい印象になります。

ダイナミックに手前と奥に配置する

メイン級のキャラクターを手前に、4段階くらいに奥へと配置して奥行きを見せる工夫です。

自然にまとまり、豪華さも印象に残ります。

距離感無視して大小で配置

アニメやゲームのポスターによくありそうな構図です。

距離感は無視するものの、敵キャラを後ろに大きく配置して強く見せたり、主役を中央に大きく配置してまわりに他のキャラを置いて関係性を見せたり、ストーリー性は意識した意味のあるサイズと位置にするとまとまりやすいです。

状況を伝えられる構図

物語や状況を伝えたい時にできる構図をまとめました。

背景をしっかり描く

描けるなら背景描いてしまうのがてっとり早いです。

状況によっては背景を描き込みすぎると、キャラが目立たなくなる場合もあるので、他の工夫もしていきます。

さらえみ

2枚目の絵はちょっと漫画っぽくはなりますが⋯
メインのキャラが同じでも、背景次第で状況の内容がガラッと変えられます。

キャラを小さく配置

1つ前と同じことですが、画面上のキャラが小さいと背景を占める率が高くなるので、必然的に状況がわかりやすくなります。

上から見た俯瞰にする

カメラが上の位置にある『俯瞰(ふかん)』にすると、背景が見やすく状況を伝えやすくなります。

目線に近い手前にキャラを置く

ゲームでよくありそうな構図。

ユーザーとキャラの目線が近いので、置かれた状況を追体験するような感じになります。

大きく見せたい時の構図

キャラクターを大きく見せたい時に工夫できることもあります。

さらえみ

小さく見せたい時は、逆のことをすると効果的です。

下から見たアオリ

カメラを下に置いた『アオリ』構図にすると、巨人のような迫力が出ます。

巨人までいかずとも、背の高さを見せたいだけでも少しアオリにしてみると効果的です。

さらえみ

小さく見せたい時は『俯瞰(ふかん)』にすると、小動物のような可愛さになりますよ!

縦型にみっちり描く

縦型にすると、アオリに見せたキャラクターがキャンバスいっぱいになりやすく、その圧迫感からより大きく見えます。

さらえみ

小さく見せたい時は、逆に横型にするとキャンバスの広さが見えて、よりポツン⋯感が出ます。

落ち着いた・安定感を出したい

落ち着いた安定感が出る構図をまとめました。

対称に描く

シンメトリー(対称的)に物を描くと安定感が出ます。

アニメでも良く見る、作例のように2人描くと安定しつつも印象的に見える作品になります。

さらえみ

2人の人物でも良いですし、1人を色別や表情別で並べるのもアリかと。
作例は人物ですが、いろんなパターンでできるとはずなので試してみてください!

傾かせずまっすぐ正面にする

動きを見せる方法の逆パターン。

これも印象的かつ安定感のある構図で、意図があれば中央にドン!と置くのも全然アリです。

さらえみ

これもポーズが対称的ですね。
どっしりと頼れる感じが出ますし、キャラが小さい場合はかわいくも見えます。

下に底辺がくる三角形ができる配置

下に底辺がくる三角形に収めると、安定感が出て落ち着いた印象になります。

座りポーズで良く見る構図かと思います。

さらえみ

動きを出す方法でもあった『三角構図』は使いやすくて便利なので、困ったら思い出して使ってみてね!

きっちり三角形に収めようとするとかなり違和感が出るので、「なんとなく3つの頂点がある」程度でバランス良くなります。

頭で考えすぎず、描いてみて判断を

こういった手法は知識で詰め込んでも、いざ描く時には難しいものです。

ラフで小さく描いて試してみて自分の目で見比べていくと、楽しく手法を取り入れて上達しやすくなるはずです。

上手い人はこういった手法を複合的に使っています。

一気にやると描くのが嫌いになりかねないので、少しずつステップアップ目指してみてください。

もくじ