寝泊まりしながら働いていたのが懐かしい、元アニメーターで現イラストレーターの、さらえみ(@saraemiii)です。
アニメーターって実際どんな仕事なのか、最近ではTVでたまに特集で見る機会もありますが、現場の細かい流れは知らない人が大半です。
今回は私も経験したアニメーターの「原画マン」がどういった作業をするのか紹介していきます。
私がアニメーターだったのは随分前なので、現在の現場では少し違うところもあるかもしれません🙏
ちょっと知りたいという方の参考になれば幸いです。
「原画マン」とは?
絵コンテや監督の指示からアニメーションの動きを設計していく工程です。
完成した原画は「動画マン」に渡されて動くようになります。
動き方を熟知していないとできない、スキルを問われる重要なポジションです。
絵コンテ設定資料をいただく
絵コンテと設定資料、必要なレイアウト用紙や動画用紙が担当者に送られます。
まずは担当するカットのコンテなどを確認します。
設定資料にはキャラクターの身長表や三面図、シーンごとの服装や背景設定まで揃っています。
絵コンテは監督さんや演出さんが書いたもので
1話まるごとか前後半パート(Aパート・Bパートと呼びます)で1冊になっています。
だいたいTVアニメ1話につき300カット前後必要になってきます。
最近はクオリティ高いアニメが多いので、もっとカット数も多いかもしれませんね
作画打ち合わせをする
監督さんや演出さんから直接電話などで
どういう演技をさせるのか打ち合わせをします。
コンテと変わる部分やこだわりたい演出など摺り合わせていきます。
レイアウト用紙に背景やキャラの配置などを描く
レイアウト用紙という、動画用紙よりも薄く枠などが印字された紙に描いていきます。
このカットはどんな背景が必要なのか、キャラがどこに居るのか、カメラとの距離は・・・といった具合に後の作業の元となる絵を決めます。
アニメーターはキャラクターさえ描ければ良いと思っていませんか?
原画マンになるとパースを理解した背景を描く機会がたくさん出てきます💦
さらに大まかな原画のラフを描いて、動きのプランも伝えられるようにします。
タイムシートに動画の指示を付ける
何も書かれていないまっさらなタイムシートに、担当カットの情報と原画や動画の入れ方、セリフやカメラワークの指示など書き込んでいきます。
ここまでがレイアウトの作業になり、チェックへと送られます。
レイアウトを元に動画用紙に原画を描く
レイアウトのチェックが終わり、やっと原画を描くことができます。
動きのプランと設定に合わせて細かい部分まで丁寧に
そのカットに必要な絵を描いていきます。
雑すぎる原画では動画マンが線を拾いにくくなりますので
もちろん下描きも描いた上で原画を作画します。
上手い人は一発で描く人もいるかもしれません。
出来た原画はタイムシートに挟んで提出して終了。
次の工程、作画監督のチェックが入り動画マンへと送られます。
動き方をイメージできるスキルが無いと出来ないお仕事
この一連の作業が原画マンのお仕事です。
さっくりと紹介しましたが、動き方をイメージできるスキルが無いと出来ない大変なお仕事です。
原画マンと動画マンで違った作画工程ですが、どちらも技術のいる特殊な作業になっています。