ほとんどメールのみでご依頼から納品まで行うイラストレーター、さらえみ(@saraemiii)です。
依頼したいけれど何を伝えればいいかわからないと、別業種の方と話しているとよく聞きます。ほとんどオーダーメイドに近いので依頼するにもハードル高いイメージが強いようです。
依頼の際にどんな情報が必要で、どうしてその情報を聞きたいのか改めてまとめてみました。
はじめて依頼される方にもわかりやすい参考になればと思います。
まずは依頼される方のことを知りたいです
私はインターネットからご依頼をお受けしています。
そのためにできるだけ私のことを知ってもらえるようWEBサイトを作っています。
きっと色んなページ見て判断して、ご依頼をくださるんだろうなと思います。
で、当然なんですが私はご依頼される方がどんな方かよく知らない状態です。
なので『氏名』『会社名』『お客様の仕事内容』などどういう方なのかをこの3点は最低でも教えていただきたいです。
その上、きちんと肩書や事業WEBサイトも記載されているとこちらはとても安心できます。
『~をやってる者ですが』としっかり名乗ってくださる方が大半ですが、依頼に慣れていない方からたまに抜けている方がいます。
ちゃんと信用できて熱心に依頼してくださると私も嬉しいですし、事業や企画のために全力を尽くしたいと思えるものです。
仕事をするのに基本的なことですが初対面ですし、結構大事なことだと思います。
ちなみに安心して進行していただきたいと思い、私の本名などの情報は、ご依頼後に発注まで至った場合に開示しております。
できるだけ相手に失礼が無いよう気をつけて対応してまいります。
イラストを頼む場合に伝えて欲しい、必要な情報
制作するにあたって必要なのが制作内容です。
この情報によっては価格や製作期間も変動する場合もあります。
なので、できるだけ決まっている内容はしっかりお伝え頂きたいです。
イラストを利用する場所・使用用途・使用期間
WEBサイトに、チラシに、看板に・・・など、どんな内容のどんな場所に使うかお伝え下さい。
この認識がズレると制作物もズレたものが出来上がってしまう原因になってしまい、時間がかかる大きい修正にも繋がって追加料金がかかる可能性も高くなります。
「使用料」が変動する可能性も
イラストの料金は「制作費・デザイン費」の他に「使用料」がかかります。
使用する媒体・期間の分だけイラストはその効果を発揮します。
たとえば…
- 駅前の巨大メインビジュアルと雑誌の小さいカットでは、イラスト1点の役割が随分違います
- 1日だけ公開した時と数年間公開し続けた時では、想定されるイラストを見る人数が違い影響力も変わってきます
一般に馴染みが無いため難しい「使用料」ですので、依頼時に聞いておくとスムーズかと思います。
クリエイターによって使用料含めた料金の規定は変わるので、なおのこと媒体や期間を伝える事が重要になります。
サイズ・解像度
デジタルデータでの制作物のほとんどは、制作途中や制作後にサイズや形式の変更ができません。
特に拡大は、絵がぼやけてしまい使い物にならない場合が多いです。
サイズについて
幅・高さ(タテ・ヨコ)をピクセルかセンチメートルなどです。A4などのプリントサイズでの指示も伝わりやすいです。
解像度について
↑の図がわかりやすいかと思います。
もし印刷用なのにWEB用画像のような72dpiにしてしまうと、印刷時にとても荒い画像になってしまいます。
「WEB用」「印刷用」「色んなところに多用したい」など、上記を参考に指定すると良いとわかりやすいです。
納品データの形式
このように、画像には様々なデータ形式があります。
制作する絵柄や、使用用途によってベストな形式が変わってきます。
後々、依頼者側で調整したくてもお持ちのソフトやバージョンによって対応できない場合もあります。
わからない場合はクリエイターさんにどれがベストか伺ってみると応えてくださると思います。
これらの情報が不足すると…
もし大きく描き直しになると、手間が増える分、状況によっては追加請求になる可能性もあります。
それを防ぐためにも、最初のうちからサイズや形式を決めておきたいですね。
項目が多くて一見むずかしく思えるかもしれませんが、どれもプロでしたら必ず把握されている項目ですので、しっかり伝えて不明点をお聞きすれば、きちんと対応してもらえるハズです。
ココはこだわりたい!確実にイメージを伝える手段
依頼者側、製作者側と、他人同士なので作りたいイメージの共有はとても難しいものです。
インターネットですと遠隔で伝えることになり、なおさら難しくなってきますよね。
そういう場合は↑のように、こだわりたい部分を画像で指定するとイメージの共有がしやすくなります。打ち合わせの段階でイメージの近い画像を用意してメールや書類にまとめてお伝えすると比較的スムーズに進行します。
依頼に慣れている企業では、検討段階でも数ページ資料にして企画書などを頂くケースもあります。
どうやって画像を用意したら良いのか?
画像検索をする
こんな感じでインターネットから簡単に画像を検索することができます。
他にも上記↑画像のように色や種類を指定して検索できるので、これだけでもイメージに近いものは出てきます。
3次元じゃちょっとわかりづらい・・・と思う人は検索ワードに「イラスト」や「アニメ」を入れてみると近いものが出てくると思います。
自撮りする
ポーズとか角度まではなかなか画像検索で出てこない場合もあります。
そんな時はもう携帯スマホで自撮りするのもアリです。
簡単にスマホで写真を取れる時代なので、デザイナー同士や取引先でも普通にやってます。
髪型だったらこんな方法も
ヘアカタログサイト
普段ヘアサロン行く時に使うサイトですが、髪型検索するならこちらがオススメです。
どうしてもメンズは少なめになってしまいますが
他にもこちらや・・・
楽天ビューティ
メンズ専用もあります!
MENS HAIRSTYLE
和風なら結婚式用ヘアカタログもオススメ
上記のようなヘアカタログサイトでも和風はある程度出てきますが、書店にある結婚式・成人式専用のヘアカタログのほうが種類豊富にあるのでこだわりたい方にはオススメです。
結婚式の時にそんな本あるの知らなくて感動した&めちゃくちゃ役に立ちました。
なにより髪型の作り方も乗ってるので描く側としても細部まで描けるので大変ありがたいです。
専門用語わからないし服装はどうする!?
服装は「かわいい」「カッコイイ」くらいなら検索でも出ますが、ファッションの専門用語を知らないと細かいデザインが一致するものは出て来ないです。
そんな場合こんな方法はいかがでしょうか。
会社の制服ならやっぱり自撮り
こればっかりは自撮りが確実です。
着用しなくても服だけでも良いかと。前と横と後ろがあるとミスなく描きやすくなります。
インスタグラムで探してみる
圧倒的に写真の数が多いのはインスタグラムです。
自分のファッションを投稿してる人も多いので探してみる価値はあるかと。
利用には登録が必要です。海外の利用者が多いのでカッコイイ系や少々奇抜なものも多いです。
安心安全ならファッション通販サイト
大手の通販サイトならコーディネート紹介ページも必ずあるので参考になります。
その季節のものしか無いですが無難な組み合わせが多いので変にならず安心です。
歴史モノや海外モノは書籍や資料から
歴史に深いキャラクターや海外の民族衣装などをモチーフにしたい場合は、しっかりした資料が欲しいところです。
クリエイター側で調べる事もありますが、思い違いが発生しトラブルにならないよう、依頼者側も資料を集めて把握しておいたほうが安全です。
アニメやpixivから参考にするのもアリ
ファンタジーものなど現実になかなか存在しないファッションは他の創作物がサンプルになります。
会員登録必要ですが創作投稿サイトpixivにも沢山参考になるものがあります。
ポーズ指定に困ったら・・・
簡単な絵で指定
○と棒のメモ書き程度の絵で指定してみてください。
メモ書きが変でもイラストレーターさんがその指定を見て描くとちゃんとしたものが出てきます。
やっぱり自撮り
何につけても自撮りは1番簡単に指定しやすいです。
フィギュアでポーズを作る
もし関節稼働するフィギュアがあればそれでポーズを撮ってみましょう。最近のは精密に動くものも多いので、このポーズで全身描いてほしい!っていう時に役立ちます。
画面上で3D人形を動かせるツールもあります。が、画面上でポーズ作るのは少し大変かもしれません。
Twitterで話題になってたのはこのアプリ。
【注意】「参考画像と全く同じにして欲しい」は大きなトラブルの元!!
参考画像の見つけ方を色々と紹介しましたが「参考画像と全く同じにして欲しい」と依頼するのはやめましょう。
写真やイラストはインターネットにあっても「著作権」が必ず付いています。
壁紙やコレクションして個人で楽しんだり、髪型や服装などの参考にする分には問題ないですが、全く同じものを作ると「無断で人のもので利益を得ようとした」ことになり著作権違反になります。
「画像をそのままでなく参考にして描いて下さい」とプロにおまかせすることで、著作権には引っかからないオリジナリティのあるものが出来上がります。
余談ですが・・・昔やった安っぽいアプリの仕事でこんな困った指示が結構ありました…アプリゲームに詳しい方は「パクりパクられ」トラブルをよく見かけると思います。
訴えられて高額の賠償金請求もありえますし、社会的打撃でプロジェクトそのものがダメになる場合もありますし、なによりモラルに欠ける&大きなイメージダウンになるので絶対やめておきましょう。
逆に、どんなイメージが良いかよくわからない場合は・・・
依頼時や打ち合わせ段階で、相談してみましょう。
クリエイター側からも「これのほうが良いのではないか?」といった提案もできます。
しっかり打ち合わせして方向性固めてから、いきなり本番を描き出すプロはいないと思うので、ラフを見せてもらって擦り合わせていきましょう。
クリエイターさんは、使用用途やお聞きしたイメージ、見せる人がどう思うかを考えて制作しています
ラフを見て疑問に思う点があれば、理由があってそうなってる場合がありますので、むやみに変更しようとは思わずに「少し気になるんですけど」と理由を伺ってみることをおすすめします。
忘れちゃいけない、スケジュールや予算
イラストでも動画でも、発注の際に必要な情報です。
いつまでに必要なのか・・・締切
スケジュールを相談するためにも、まずはご希望の締切日をお伝え頂くか
どれくらいの期間で出来るか相談してください。
どんな簡単なイラストでも、下書き・修正・仕上げと受け応えの時間も含めると
どんなに急いでも3日~1週間はかかるものです。
他の仕事を抱えていて、すぐに取り掛かれない可能性もあります。
できるだけ早めにご依頼いただけると助かります。
ご予算
相場は調べればある程度出てきますが
イラストレーターさんの生活やクオリティ、知名度などによってバラバラです。
価格表を置いてあるイラストレーターさんもいますので
参考にしながら提示してみてください。私の場合お見積りも承ります。
イラストなどの制作物は、製作者の健康や精神状態が如実にあらわれる商品です。
生活が破綻してグチャグチャな商品が出てきたら大問題になりますね(^^;
それぞれ適切な値段を設定されてると思いますので
イラストレーターさんのお仕事・・・背景にその人の生活があることもちょーっぴり考えた上で
ご希望をお伝え頂けると本当にありがたいです。
支払い方法と期日
クリエイターと直接取り引きする場合、お支払いには銀行振り込みが一般的かと思います。
期日は、企業との取引では当月末締め翌月末振り込みが多いですね。
納品後即日振込の場合や珍しいケースでは前払いや分割払いもあります。
はじめの問い合わせに記載することはなくても、お金のトラブルを避けるためにも、金額や納期についてはできるだけ早めに確認しておきたいです。
わからない場合は聞き、制作者は理由があって出してることを前提に
以上、依頼する時に伝えてほしい情報や項目でした。
オーダーメイドになるので、どうしても細々と必要な情報はありますがわからない場合は聞いていただいて、制作者が出したものについては何かしら理由があることを前提にお話しいただければ支障なく対応できると思います。
うやむやなまま制作してしまうと、納期が遅れたりご希望の商品ではなくなってしまったり・・・ということもありえます。
ひとつひとつ情報を共有し、信頼を築くためにもイイ仕事をするためにも、お互い心配りを大切にしていきたいですね。