営業はインターネットを活用しているイラストレーターさらえみです。
イラストレーターの仕事の取り方は、今では本当に様々です。
この記事では知り合いのイラストレーターが実践していることも含めて思いつく限り紹介してみます。やり方は本当に人それぞれだと思うので、自分に合ったものを探して実践するのをオススメしています。
準備編
いきなり営業する前に準備が必要です。
商品になりそうな絵柄を把握する
イラストといっても様々な画風があります。
ゆるかわ、水彩タッチ、アニメ風、ソシャゲ風、アート系、水墨画・・・
ファミリー、動物、植物、食べ物・・・と挙げていくと多岐に渡ります。
営業に行ったのに自分の画風が伝えられないと自分も相手も混乱しますよね。
複数のタッチを使い分ける人は、いろんな取引先と繋がります。
ひとつのタッチに特化した人は、「この種類ならこの人!」と目立ちやすいです。
狙っていきたい業界を確認
広告業界なのか、ラノベ業界なのか、それとも特定の企業と直接取引していきたいのか・・・
個人的には1つに絞らなくても良いと思いますが、ある程度定めておくと営業に必要なものも揃えやすいです。
イラストやデザインに詳しくない業界と取引するなら、専門用語は通じませんし、業界に合わせたサンプルがあると強力な営業ツールになります。
自分のイラストを使ってもらいたい、希望の条件などから逆算して考えられます。
仕事の流れを把握しておく
営業していざ仕事が来た時に、「あれ?何からしたら良いんだろう?」ではお客さんも困ってしまいます。
会社員の仕事のようにはいかない部分もあります。軽く伝えられるくらいには把握しておきたいですね。
仕事の流れはこちらに詳しく書いています
WEBサイトを作る
今の時代、WEBサイトは必須です。
1人1台はスマホでインターネットができる時代なので「もっと作品が見たい」「最近の活動は?」「連絡先が知りたい」といった時に、WEBサイトへアクセスする方は多いです。
インターネットで仕事獲得が目的でない、直接持ち込みする人でもWEBサイトは持っておいたほうが良いです。
作品だけ掲載していても良いですが、詳しいプロフィールや、作品を制作した時の思考など記載してあると、どんな人か分かり安心して頼みやすくなります。
できれば自分の名前で検索してサイトに辿り着けると、相手も手間が省けて便利です。
有名人と名前がかぶってると、名前検索して見つけるのは無理かもしれません。
それかQRコードを付けるなどして、URL入力は意外と手間なので、配慮しておきたいところです。
ポートフォリオを作る
持ち運びでき、相手にお渡しすることもできる、ポートフォリオファイルも必須です。
こちらも作品を載せるだけでなく、プロフィールや作品制作の工程や考えも記載しておくと親切です。
お会いして口頭で伝えるのはもちろんですが、これらが記載されていると後から見返した時に思い出してもらえます。
100均のファイルでも問題ないです。表紙や背表紙でこのイラストレーターとわかるようデザインはしましょう。就職用に持っていくポートフォリオよりも、さらに差別化や見やすく整理した情報が大事になってきます。
印刷は発色の良いちょっと高級な用紙を揃えます。ペラペラでくすんだコピー用紙では本来の良さが全く伝わりません。
営業先によって内容は入れ替えます。
ファイリングではなく、画集のように本としてまとめているイラストレーターさんもいます。
名刺を作る
行く先々で名刺は必要になります。
もちろんイラストを添えたデザインで、名前と連絡先がわかりやすいようにします。
イラストレーターだと本名や住所を載せるかどうか気にする方もいますが、最重要なのは名前と連絡先です。
イラストレーター同士では気になりませんが、個人起業家さんや世間一般の企業関係者さんは「どこで事業をされているのか」をよく話に出されます。気になる場合は、名刺を住所有り無しの2パターン用意して、交換時の反応を見て検討していきます。
私の場合はいつも使っているアイコンをつけているため「ネットで見ました!」とよく言われます。特に顔出ししていないので統一したアイコンは強い味方になっています。
名刺もしっかりした適切な用紙にします。ペラペラだと趣味や素人でやっていると思われてしまいます。
特殊な用紙やサイズ、変形ものなど目立つ工夫も出来ますが、相手の事を考えると、ケースに仕舞いやすい、最近では名刺管理アプリで読み込みやすいかどうかも考えてしまいます。
大手印刷でしたら最低限のもの500枚でも安く印刷できるのでオススメです。
直接営業編
直接営業はほとんどしていないのですが、既に取引のある企業様を訪問した時や、駆け出しの頃行きまくっていた交流会での経験を元にしています。
持ち込み
ポートフォリオや営業資料を持って直接訪問するケースです。
どんな会社でも通常業務で忙しいので、アポイントメントは必要です。
その場ですぐ新しい仕事を獲得出来る事は珍しいほうだと思います。一通り見せてお話し終わったら「何かありましたら連絡下さい」という流れにはなります。
私の場合、アニメーションもあるので、その場でiPadでお見せする事もあります。
1社だけで仕事が来る可能性は低いので、何件かまわるのがセオリーのようです。
交流会
異業種交流会など大人数が集まる場所での営業です。
同業の交流会はコミュニケーションや情報交換が主目的なので、自分の絵柄を覚えてもらう程度なら多少の効果はありそうですが、1人を長時間捕まえてしまうと悪い印象与えてしまいます。
営業がメインの異業種交流会もあります。
個人が人を集めて開催しているものから企業が主催しているものまでカラーは様々です。
いろんな方が参加されていて、悪い面では保険や高額起業家セミナーへの勧誘をされたことがあります(もちろん全部断りましたし、そういった勧誘がNGの交流会もあります)一般企業の方の反応が見れたので、個人的には度胸試しではないですが1度は経験して良いのではと思います。
異業種交流会は、Facebookイベントやイベント告知サイトなどで見つけられます。
展示会
個人やグループ、企画展に出品して作品を買ってもらったり、そこから新しい仕事に繋げていく方法です。
出展費用と集客力が必要になってきます。集客力は展示先のコネが強い場合や、企画のインパクト、イラストレーター自身の工夫によってきます。
私は展示経験が少なくて、鑑賞に行った際に少し話を聞くくらいですが、展示品を収集しているコレクターさんや他の展示会に出展してほしい人を探している専門家さんなども見に行かれているようでした。
チカラやコネのあるイラストレーターさんは、大手百貨店などにも出展されています。
展示はアート系の方が多い印象です。
紹介してくださる書籍への掲載
イラストレーターを紹介する専門書がいくつかあり、そこへ掲載してもらうパターンです。
広く募集しているところもありますし、有料だったり、スカウトだったり掲載までのルートは様々です。書籍だったり、有名雑誌のコーナーになっている場合もあります。
出版社などイラストを必要としている企業に配布される点がメリットで、1冊に多くのイラストレーターが載りプロフィールは簡潔なのでよくある画風だと埋もれてしまう事も考えられます。
私もこちらへ掲載していただきました
インターネット活用編
私がメインにしている営業手段です。インターネットはこれからも広がる一方でトレンドの移り変わりが激しいので見極めは必要かなと思います。
メール営業
企業などのWEBサイトにある連絡先からメールで営業する方法です。
最低限メールマナーは守っておきたいです。
突然何枚かの画像を送り付けるのは、重くて送受信エラーの原因にもなり相手の迷惑になります。なので、WEBサイトを整えてからサイトのURLを添えた方が良いです。
結構メール営業をされているイラストレーターさんはいらっしゃいました。
私の場合は、駆け出しの頃にチャレンジしましたがWEBや実績が少なかったためか、結果が出ることはありませんでした。
ブログ
確実にWEBから仕事獲得したいなら、特別有名でない限りはブログ運営が必須です。
日々発信して見つけてもらう目的もありますが、メインは人が検索して見つけてもらうためです。
閲覧数を上げて問い合わせが来るまで、根気がとても必要になります。ブログ運営についてしっかり調べて丁寧に運営すると、自分を必要として下さっている未来の取引先と繋がる事ができます。それ以外にもメリットは大きいと感じています。
ブログの作り方に関しては私が実践したことをこちらにまとめています
外部の登録サイトを活用
外部の登録サイトでの紹介を見て依頼くださるパターンもあります。
登録サイト活用する際も、自分がどんな人でどういう考えでイラストを描いているのかがわかると相手も依頼しやすくなるはずです。
登録できるサービスは沢山ありますが、審査もある有名どころはこちらでしょうか。
イラストレーターズ通信は老舗なだけあって過去の情報量が豊富です。
JILLAは講座やイベント豊富な印象で、何より「文芸美術国民健康保険」に加入する条件になるので知っておいた方が良いです。
少し種類が違いますがクラウドソーシング系をまとめたのはこちら
SNS投稿
twitterやInstagramにイラストを投稿し続けて仕事を獲得する人も増えてきました。
わかりやすくフォロワー数やフォローされてる層を見られます。続けて投稿できる信頼性と、一般の方を惹きつけるパワーが見える化されるので、仕事を頼めるかどうか判断しやすいようです。
投稿する際には「画像投稿した時に見せたいものが見えるか」「ターゲット層に喜んでもらえるか」「タグ付けるかどうか」など配慮している方が強いです。
SNSに詳しいイラストレーターさんが工夫する方法を発信されてる事があり、非常に参考になります。
さらにスマホ時代によりyoutubeなどの動画にも注目されています。Vtuberが人気ですが、メイキングやスライド動画、漫画を動画にして配信など様々なイラストレーターさんが工夫をして投稿しています。
素材配布
素材としてイラストを出して、使用感を評価してもらってから依頼をいただくケースです。
素材を多く用意し、たくさんの人に利用してもらうまでに根性が必要ですが、ブログ同様に一度効果が出てくると時間場所関係なく営業になるので重宝します。
いらすとやさんのように個人で素材サイトを運営する方法や、こちらのような登録サイトを活用する方法もあります。
ちょっと変わった手段
自費出版
同人誌やKindleなどデジタル書籍で自分で本を発行してしまう手段です。
作品に自信のある方は画集でも良いですし、ブログ同様に「人の役に立つ情報」とセットだと効果出やすいのでは?と思います。
即売会でオリジナルを売っているイラストレーターさんも珍しくないですし、Amazonで売り出している方も増えてきています。
独自サービスの開発
自分でキャラクターブランドを作る、似顔絵サービスを作る、世の中に無いサービスを組み立てる・・・など、独自の事業展開を図る方法です。
これは私も近い将来やったほうが良いと思っている事で、波に乗った色の濃い独自サービスがあると新しい販路にも営業ツールにもなります。
企業に頼らずに仕事を生み出すのは、真の個人事業かもしれません。ハードルは高いですが、ツールがどんどん便利になっている時代ですし、チャレンジするかいはあると思っています。
イラストであれ個人で仕事をやる時に考えた方が良い共通点
フリーランスやイラストレーターに限らず、個人で仕事をするには以下のような能力は磨いたほうが良いと感じています。
商品化できる基礎
個人的には物凄く上手くなくても、面白さやセンスや見栄えで最低限商品になりうるクオリティが担保されていれば仕事にはなりますし、仕事や描く研究を続けることで磨かれていくものと思っています。
その基礎となる、面白さやセンスは知識や感覚が必要ですし、見栄えやクオリティは練習や仕事経験で培われていきます。
個人の画風や経験によって、何を磨いたほうが良いかは変わってきそうです。
交渉力
イラストで食べていくのは、会社、企業を創るのと同じことかと思います。そうなると稼ぎ続けるための様々な作戦が必要になります。
イラストと仕事を繋げる方法は上記のようにたくさんありますが、それを活かして「この仕事を取るかどうか」「代わりにこの条件だとどうか」というような交渉ができると、仕事に繋がるチャンスが増えていきます。
交渉と言うと難しい事に聞こえますが、最低限、相手の状況を考えて話ができる・相談ができるくらいの努力は必要です。
起業家さん達がボードゲームを愛用するのはこのセンスを磨くためでもあります。
営業の軸を持つ
今の私でいうところのWEBサイトとブログです。
手広く営業をするのも大事ですが、自分に合った営業方法で生活費が工面できるまで伸ばしてから広げても遅くはないのではと感じています。
好きな事や得意な事じゃないと続けるのが難しいのと同じで、自分にハマった営業方法を伸ばす事はその人が一番最速で出来る方法だと思います。
1番の軸があるとリスクが減って自信にもなり、少しずつ広げていく時の後押しにもなるのでおすすめです。
マネタイズ
マネタイズとは?
収益化を図ること。特に、インターネット関連のビジネスについて、当初エンドユーザーに対して無料でサービスを提供してスタートした事業について、収益化を図ることについて言われることが多い。
Weblio辞書「マネタイズ」より
自分が提供できるもので収益に変えていく努力が必要です。
仕事を受注していくにしても、取引先が1社だけでは何かの事情でそことの取引が消えたら収益が無くなってしまいます。
同じ考えで、受注する事だけに頼っていては、受注が多い時と少ない時とで収入の波が荒くなります。
そういったリスクを回避するためにマネタイズの知恵が必要です。これはお金のためだけに何もかもに値段を付けることではなく、企業も個人も含めお客さんが喜んで買ってもらうにはどうしたら良いかを考えることだと思っています。
楽ではありませんがイラストレーターの仕事の取り方はたくさんあります
最近では多くのイラストレーターさんが発信してくださっているので、調べれば様々な知恵や工夫、努力の方法が出てくるようになりました。
自分の生活スタイルや作風や将来に合わせて活かしていき、常に考えていく事が大切です。ショートカットがあるとも思わず、考え無しに辛い事をひたすら続ければ開けるとも思わず、その時の自分に必要な努力を重ねていきたいです。