作り方で見栄えが変わる!アニメーションのコストについて

元アニメーターで現在はショートアニメーションを制作している、さらえみ(@saraemiii)です。

アニメーションと言っても作り方は千差万別。

一般的にイラストを使った映像をアニメーションと呼んでいますよね。

アニメーション動画を作ってもらいたくても、どんな感じで制作時間や労力がかかるのかわかりにくいものです。

さらえみ

イラストから感じる柔らかさとは違って、思いがけない所にコストがかかるのがアニメーションです。

作りたい動画によって大きく変わりますが、アニメーションにかかる見栄えとコストのバランスについてまとめてみました。

もくじ

同じキャラでもアニメに使う枚数によって見栄えが変わる

キャラクターが驚くリアクションを枚数によってどう見栄えが変わるのか、比べてみました。

同じイラストなので違いがわかりやすいと思います。

枚数少ないアクション

こちらのアニメーションは…

驚くリアクション

以下の2枚の絵で出来ています

通常の顔から
「えっ⁉」となる顔

厳密に言うと、口や眉毛の動きに少し枚数が入っていますが、このくらいでも充分驚いてるようには見えます。

枚数を贅沢に使ったアクション

こちらのアニメーションは…

驚くリアクション

以下の6枚の絵で出来ています

通常の顔から
一度上を向いて
目を閉じ
やっと「えっ⁉」となる顔
髪の毛が動いて
おさまります

こちらは少ない枚数の3倍枚数が入っています。

厳密に言うとここまで動かすには、さらにそれぞれの絵の間にも数枚絵を入れる必要があります。

表情豊かに見える反面、手間がかかります。

枚数が増えると当然コストも増える

通常、枚数が増えた分だけ絵が必要になり、アニメの絵は描くしかないので、リッチに動くほど労力がかかっていきます。

必要な動画、作り方によってはそんなコストを削減できる場合もあります。

以下は作り方による違いを大まかに比べてみました。

一枚一枚描く、よく見るアニメーション

昔から馴染みのあるTVアニメーションは、1枚1枚描く作り方です。

アニメーションの時間だけ労力がかかり、TVアニメにもなるとスケジュールが厳しい中でストーリーや構成も複雑なため大勢のスタッフが関わっています。

上手く作れたらとても見栄えの良い物が出来上がります。

イラストのクオリティに加えて独自の技術が要るため、この手法でアニメーションを作れるクリエイターは、数少ないと思われます。

1体作って動かすアニメーション

ゲームやYouTubeなどでは、TVアニメとは違った作り方でキャラクターアニメーションを作る事があります。

1体キャラクターを作ったら全部描かなくても、動きをつける作業でアニメーションができます。

1枚1枚描くよりコストが省ける面もありますが、TVアニメのような表現は難しく使い方は限られてきます。

Live2Dアニメーション

1体のキャラクターイラストで、様々な動きを付けられる制作手法です。

専用の有料ソフトと技術が必要で、ソーシャルゲームやVtuberでよく見かけます。

さらえみ

上記の驚くリアクションもLive2Dで作りました。

Live2Dの使い方やVTuber関連制作のご相談はこちら

さらえみVTuberイラスト

3Dアニメ

3Dキャラクターを1体作って、人形のようにデジタルで動かしていくアニメーションです。

こちらも3Dでキャラクターを精巧に作るのは専門的な技術が必要で、様々なゲームによく使われています。

さらえみ

私は専門外なのでくわしい作り方は知りませんが…
今ではTVアニメでも使われるのが珍しくなく、毎回進化している最高峰はプリキュアのエンディングアニメーションだと思っています。

少ない枚数の方が効果的な場合も

「デフォルメの効いたイラスト」「メリハリをつけたい」「イラストの個性を出したい」場合は、枚数少ないアニメーションのほうが可愛く見えて効果的になるケースもあります。

かわいらしいキャラクターなら、紙人形のように上下左右やくるくる回るだけで、楽しくかわいいアニメーションにすることも出来ますよね。

他にもアニメーションはこんなコストがかかります

アニメーションはビジュアル面以外にも以下のようなコストがかかります。

  • BGM
  • 音声
  • テロップデザイン
  • オープニング/エンディング
  • (TVで流すなら…)放送権利
  • (イベントで使うなら…)設営
  • (ネットで流すなら…)告知・拡散

これらを省略しても充分な効果が期待できるケースと、アニメーションの使う場によっては必要なケースもあります。

効果の優先度を考えて最適なアニメーション動画をつくろう

省コストでイラストで印象付けたい → 紙芝居的なイラスト動画

ぬいぐるみのような可愛さを出したい → パーツで動かすパペット風アニメーション

案内役のキャラクターを何パターンも使いたい → VtuberのようなLive2Dアニメーション

インパクト勝負の動画 → 印象的なイラストでメリハリの効いたアニメーション

飽きさせず何度も見てもらいたい → 美麗でリッチに動かしたアニメーション

…といった具合に、ざっと思いついただけでもいろんな作り方があるのがアニメーションです。

アニメーションをどう使いたいかによって最適な作り方を選ぶと、コストとパフォーマンスのバランスが取れたものができあがります。

もくじ