会社員からフリーランスになったイラストレーターさらえみです。
私は地方でフリーランスになる背景から、WEBを駆使して半年後くらいに少しずつ仕事を取れるようになってきました。
それまでは会社員でしたので、経歴はあるものの表に出せる実績は無く、
順調に仕事を取れるようになるまでに色んな事を試していますが、ひとまず最初に行動したこともその礎にはなっています。
フリーランスなる初期にやったことを一通り記載してみます。
フリーランスなる前の私のスペック
独立前の私の能力はこんな感じです。
- アニメーター3年経験
- アニメーター時代に白色申告は経験済
- 映像業界で2DCGアニメを制作するデザイナー正社員として7年経験
- 映像業界でエフェクト等を制作するデザイナー契約社員として3年経験
- 副業でとても安いイラスト制作業1~2年程度経験
- 開業に向けて営業やお金に関して無知な状態
長く勤めていたのでクリエイターとして物を作る能力はあったものの、フリーランスとして生活するための営業方法や金銭の流れなどは全くわからない状態でした。
アニメーター時代は過酷な環境で事業主という感覚ではなかったですし、会社員の時は、そこそこ大きな会社でしたので、事業経営まで関われるような立場ではありませんでした。
退職前に貯金
転職するにせよ独立するにせよ資金があれば焦らずに済みます。
退職する直前はパートで働く契約社員だったのですが、だいたい1年は過ごせるくらい貯めて辞めました。
あまり好きじゃない仕事に就いてたので「貯めたらとりあえず辞めれる・・・!」という気力で頑張っていました(笑)
加えて正社員時代から元々3年くらい生活できる蓄えはありました。
イラストレーターはコスト低く始められると言われていますが、いくらなんでも貯金ゼロではじめるのは無謀すぎます。
実際、順調に仕事獲得できるまでは数ヶ月かかり、貯金が無いと独立も厳しかったです。
年金・保険などの手続き
各種担当役所に行って手続きが必要です。
窓口を行ったり来たりしたような記憶があります。
転職のほうが会社の手続きで済むので、それよりは自分でやるのはそこそこ面倒臭いです。
結婚している、会社に長年勤めていた等、その人の状況によって手続きが変わります。
フリーランスにならず就職する方は失業保険や職業訓練が受けられる場合があります。
フリーランスになると失業状態ではないので受けられないですが、就職するつもりで活動していたのに開業する事になった場合は再就職手当が受けられる可能性もあるようです。
このあたりは年度によって体制が変わったりします。
調べると情報は出て来るので、自分の状況と照らし合わせて手続きしてみて下さい。
自分の体に何かあった時に無いと困るので面倒でも必ず手続きしましょう。
制作環境の整備
趣味でパソコンを使用していたものの、会社同様の環境ではなかったので、整えていきました。
制作ソフトとして、最初はまだ買い切りのAdobeCS5.5を使っていました。そのうち仕事のやり取りで様々なバージョンに対応しないといけなくなって最新CCを導入するようになりました。
パソコンも動画制作に耐えうる仕様に改良しました。
制作環境は、事務所借りるなど上手くいく前から無駄な投資は先の生活もあるのでダメですが、効率よく制作するための改善はスタートダッシュにも繋がるのでアリだと思います。
フリーランスと知り合い、情報を得る
退職前からフリーランスになった友人含め、知り合いが数人いました。
インターネットでもフリーランスの方のブログやSNSを見て情報を掴むようにしていました。
すぐに仕事になる情報を掴むというよりは(そんな都合の良い事は滅多に無い)フリーランスや起業されてる方の常識を知るつもりで調べていました。
「想像以上に色んな種類の仕事がある」「名刺はあったほうが良い」「異業種の知り合うと良さそう」「しっかりやれば生活出来ないことはない」などなど超初歩的なフリーランスを取り巻く状況がわかるようになってきました。
副業で安い仕事を請け負ってた時に、制作の流れや感覚は得られました。
この時はバイトにならないくらい安かったので改めて「独立するなら営業とお金の勉強しなくちゃ・・・」と思わされました。
友人や初期の頃にお世話になった方の仕事でお手伝いさせていただいた事もあります。
私がフリーを目指した時期よりも、今の時代はセミナーや本などで情報を得る機会も多くて便利になっていると思います。
交流会の効果は?
交流会もたくさん参加しました。
起業家が集まるお金がかかって緊張する会、名刺交換がメインのビジネス感の強い会、起業主婦がセミナーを開くお茶会、大規模な飲み会などなど・・・
当時はクリエイターが集まるような会は非常に少なかったです。
クリエイターというだけで結構どこでも珍しがられました。それだけ他の業界との接触が少ないんでしょうね。
私の場合、そういった交流会で知り合った方とは、下請け的なお手伝い感の強い仕事が年1、2回来る程度でした。
交流会で会う人は「仕事が欲しい人」が多いので、発注してくれる人というよりは同士が多い印象です。
戦友を見つけられたらラッキーという感覚で、順調に仕事取れるようになってからはあんまり行かなくなりました。
中には高額なセミナーや保険などの勧誘もあったので、慎重に調べるようにしましょう。
今では、交流会に行くよりも自分の実績を上げていってなんとなく知り合いになった人のほうが、切磋琢磨できる深くて長い良い縁になっているなと感じています。
自分の特徴や強みを把握する
改めてどのスキルで仕事をしていくのか、自分に何が合うのか、どういった信念や軸で仕事をしていくのかを、かなり時間をかけて把握していきました。
私の場合は「絵が描ける」「デザインができる」「アニメーション作れる」といったスキルはあったのですが、一番やりたいと思ったのは自分で絵を描いて生活する事でしたので、肩書はイラストレーターを選びました。
それ以外にも自己分析でエニアグラムやストレングスファインダーといった有名なものをたくさんやりました。
ネットでも沢山ありますし起業向けの本にもあったりします。
私の場合、幼い頃から縁の下の力持ちと言われてきた事や、オタクでアニメ文化を大切に想う事、人と過ごすのも好きだけど必ず一人の時間が要る事、口頭より文章、計画性がある、などが見えてきました。
こういった自分に向いている要素を把握して、仕事の方向性や体制を組み立てていきます。
・・・と言うと難しそうですが、色んなツールで自己分析をしながら作品作りや仕事を試していくと「これは向いて無いかも」「意外とこれは得意だったんだ」という発見ができて、仕事の改善に役立ちます。
数年経った今でも仕事をしながら新たな発見が多く軌道修正もしているので、常にこれを気にしておいた方がストレス無くフリーランスを続ける上で重要だと思っています。
営業方法について学ぶ
ずっと作る事しか知らなかったので、営業と言うと訪問販売や企業に資料持ってセールストークをするイメージが凄く強かったです。
本当はそれぐらいガッツある方が良いんだろうと思いますが、地方在住でどちらかというと口下手な方なので不利だなぁ・・・と思っていました。何より個人での実績が無かったので自信もありませんでした。
フリーランスの方と知り合い、調べていくうちに、WEBサイトだけで営業出来ている人も居ることを知りました。
最初は「こんなんで仕事取れるの?」と半信半疑で、その人のアドバイスを元に暇があればサイト改善ブログ更新を続けて、仕事が取れるようになりました。
WEBサイト+ブログは拠点として後々大きな効果が得られる
徐々にサイトから仕事を取れるようになっていきましたが、営業拠点としてWEBサイトがあるととても頼もしい武器になるなと感じています。
活動や実績が増えた時、営業できる状態のサイトに更新するだけで、24時間多くの人にアピールできる場になります。
足で地道に営業する事も悪くはないですが、非常に効率よく意外な仕事に繋がる事もあるので、会う人会う人にこのスタイルをオススメしています。
仕事を持ってこれるサイトとして育てるまでが大変なのでなかなかやり切れる人はいませんね・・・(汗)
サンプル作品を作る
営業をしようにも、目に見えるサンプルが無いと何にもなりません。
個人で出せる実績が無かったので、いくつかサンプルも作ってWEB等に掲載するようにしていました。
フリーランスなったばかりの頃に作っていたサンプルは今は一切掲載していません。
今思うとそれくらいあまり良い出来では無かったのです。
フリーランスになる直前は、自分に合わない仕事で自信もかなり失っていたのが作品にも現れていました。
ですが、それでも仕事は来ましたし、改善を繰り返す事で現状まで成長することも出来ました。
改善するにしても一度見直すための作品が無いとはじまりません。
良いのが出来ないから・・・と後回しにせず、今出来る能力で作ってみて営業して、見直し改善していく事を繰り返してどんどん成長できています。
とりあえずの実績になるものを取りに行く
良いサンプル作品があっても、仕事をした実績が無いと、発注する人に安心して任せてもらえないだろうなと考え、WEBでの営業を構築しながら、実績取れそうなものを探していきました。
クラウドソーシングで獲得できそうなコンペにいくつか参加しました。
自らサービスを考えて出せるココナラも利用したことがあって、値段や客層の感覚を掴むことができました。
どちらのサービスも当時開始したばかりで今ほど充実した有名なサービスでは無かったと思います。
元々そういったサービスを利用して発注するお客さんが多いので、しっかり作品を作ってアピールしたり自分を売り出すページを作れば仕事は取れます。
凄く有名でバリバリ実力のある人はこういう事をしなくても仕事は来ると思います。私はそういう人ではなかったので、手の届く小さい事からはじめるようにしました。
例えば、充分なスキルが無い人が試す場として利用してみたり、スキルはあっても実績が無い人が初期に利用されるのはアリだと思います。
ただし、単価が低いものも多く生活の軸とするにはかなり難しいです。初期の実績稼ぎだけに利用しました。
あと、こういったサービスで制作した著作権・知的財産権は、発注主に渡ってしまう条件になってるのがほとんどなのですが、ちゃんと発注主に相談してみると「実績として公表してもOK」と許可が出る事もあります。
これ以外に、手っ取り早く友人や知り合いに営業して割引価格で仕事をするのも初期の実績獲得にアリだと思います。
そして、これらの方法をより詳しくまとめた、『フリーランス独立ガイド』をnoteで公開しています。
自分のサービスの強みの見つけ方や、ポートフォリオサイトの作り方など、駆け出しの人ができるだけ早く実績を掴むコツに加えて、契約書テンプレートや膨大なお役立ち情報など、私が経験したことを色々と詰め込んでみましたので、もし興味ありましたら見てみてください。
フリーランスを「事業」と考え、経験と改善を繰り返す事が大事
私はフリーランス初期の頃は、こういった形で動いていました。
インターネットのおかげで助かってる面もあります。
何も無かった最初だったから利用したもの動いた事もあり、実績が増え大きな仕事も任されるようになってからは、任せてくださったクライアントやエンドユーザーの事を考えて、初期とは違う形に変えていっています。
いきなり今の状態に出来たわけではありません。
人によって向き不向きや目指すものも違いますので、あくまで参考にしていただいて、自分の事業として経験と改善を繰り返す意識がとても重要です。
フリーランスの仕事獲得のヒントを詰めこんだnote公開中
仕事獲得のためのヒントやポートフォリオサイトの作り方など、駆け出しの人ができるだけ早く実績を掴む方法を、具体的にまとめた『フリーランス独立ガイド』をnoteで公開しています。
契約書テンプレートやトラブル対処法など色々と詰め込んでいますので、もしよかったら見てみてください。